産業用ロボットといえば従来なら自動車組み立て工場が中心だったが、より低価格で設定が柔軟なロボットの登場によって、さまざまの業界であらゆる規模の事業にロボッ ト導入が拡大している。
その結果、米企業が2018年に導入したロボットの台数は過去最多を記録したことが、自動化推進協会(Association for Advancing Automation=A3)の調べでわかった。
ロイター通信が報じたA3の調査結果によると、2018年のロボット出荷台数は前年比約16%増の2万8478台だった。産業ロボットの出荷数は、自動車業界を除くすべての分野で増加した。自動車メーカー向け出荷が減った理由は、新型トラック組み立て用の大規模の設備導入を終えたため。
それ以外の業界ではロボット導入が大きく伸び、食品や消費者用品業界への出荷台数が60%も増加した。そのほか、半導体や電子機器業界への出荷は50%、金属メーカー向けは13%増えた。
労働力市場がひっ迫するなか、人件費の削減を目指す会社らは自動化によって労働力不足を補おうとしている。自国最優先をかかげるトランプ政権の姿勢も手伝って、米国外から米国内への製造部門回帰を検討する製造会社の多くは、米労働者の人件費が高まっても競争力を維持する最善の方法として自動化を考えているようだ。
インディアナ拠点の特殊指輪製造業者メトロ・プラスティックス・テクノロジーズ (Metro Plastics Technologies)は、2018年3月にロボットを初めて購入した。完成部品を生産部署から品質管理部署に自動運搬する任務にそのロボットはあたっている。それまでは、作業員らが重量5000ポンドのフォークリフト3台を操作して運んでいた。同社はそれらに代わって4万ドルの自律稼働ロボットを導入した。
川崎重工業傘下カワサキ・ロボティクスUSAの販売および販促責任者ダン・ヘイズリー氏は、「自動化市場としては食品業界が急拡大している。食品や飲料業界は労働力不足に強く反応している業界の一つだ」と話している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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