エネルギー省は、リチウムイオン電池の再利用センターをアルゴンヌ国立研究所(イリノイ州)内に開設した。
グリーンカー・コングレスによると、施設の名称はリセル・センター(ReCell Center)。リチウムイオン電池から回収した素材を新しい電池に再利用でき、これで生産コストを10~30%抑えられる見込み。同省が掲げる電力量1キロワット時 (kwh)あたり80ドル以下という目標に近づける。
リセル・センターは、同省初の先進的バッテリー再生研究事業で、同省傘下のアルゴンヌ、国立再生可能エネルギー研究所、オークリッジ国立研究所のほか、ウースター工科大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、ミシガン工科大学との共同事業になる。
製造業者、自動車メーカー、資源再生業者、バッテリーのライフサイクル管理サービス業者、材料サプライヤーといったバッテリー流通を構成する企業がパートナーとなり、リセル・センターの研究開発に協力する。同センターは今後3年間、1500万ドルの補助金で運営される。
センターのパートナー企業は、利益を生むリチウムイオン電池再生事業の確立を目指し、以下の4つ分野に焦点を当てる。
1)正極材を、費用がかかる再加工の必要なしで新しいバッテリー生産に利用する。
2)ほかのバッテリー材料を回収し、効率的に再利用する技術を開発する。
3)新しいバッテリーは、将来のリサイクルが容易なデザインにする。
4)研究開発を効率的に行い、センター内の活動を評価するため分析ツールも同時に開発、活用する。
リセル・センターは、産学官の専門家による共同研究の場として利用される。センターではそれぞれの研究所にはない研究開発のツールを用い、将来的に商業活用される技術を開発する。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ティックトックを人材採用活動に活用 ~ インフルエンサーによる求人告知で効果
-
2023年2月6日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
自動車業界で士気低下、メンタルヘルス問題が拡大
-
2023年2月3日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 環境ビジネス, 米国ビジネス
異常気象が機械学習の価値をあらためて示すきっかけに ~ 電力業界、予想分析によって減災や即応を強化
-
2023年1月31日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
加州、ゼロ排ガス交通インフラ整備に29億ドル
-
デルタ航空、機内ワイファイ・サービスを2月から無料化 ~ 競争力強化に注力、高単価客の獲得に照準
-
2023年1月26日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
小売大手ら、2023年に食品廃棄削減に注力 ~ カギは「逆物流」技術、追跡と分析で廃棄回避を強化
-
2023年1月23日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
自動車分野の技術革新、実用化には時間が必要
-
2023年1月18日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
機械学習の普及をさらにあと押しする潮流 ~ AWSの人工知能責任者、6大要因および傾向を特定
-
2023年1月16日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 環境ビジネス, 米国ビジネス
仕事や暮らしに革新をもたらすデジタル・ツインの活用法 ~ フォーブス誌、専門家15人の見方を紹介
-
2023年1月12日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
ウォルマート、ロブロックスと提携しメタヴァースに参入 ~ Z世代向けに仮想空間体験を提供へ