第64回 犬のグループ(その1)
文&写真/寺口麻穂(Text and photos by Maho Teraguchi)
- 2014年1月5日
アメリカのサンクスギビング・ホリデーの定番と言えば、七面鳥、パンプキン・パイ、メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード、フットボールなどでしょうが、ここ数年の我が家の定番はテレビ中継されるドッグショーを観ることです。今年もお昼2時間テレビにかじりつきいろんな犬種を勉強しました。現在、世界中で300から400もの犬種が存在します。この世の中で、犬という動物ほどそのサイズの大小から形や毛並みなどバラエティーに富んだ動物はいないでしょう。それは人間が長い年月をかけてそれぞれの役割に合ったさまざまな犬種を作り上げてきたからです。今号から、AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)が分類した犬の7つのグループについてお話しします。まずは各グループの概要を説明します。
あらゆる狩猟の手伝いのために改良された犬種が集まるグループ。一番古くから存在している。大きく分けて、臭覚に非常に優れた犬種(セント・ハウンド)と視覚力が飛びぬけた犬種(サイト・ハウンド)の2種からなる。ビーグル、グレー・ハウンド、バセンジ、サルーキなど。
人間のあらゆる仕事(警備や護衛、そり引き、救助活動など)を支えるために品種改良された犬種が集まるグループ。力強さと勇敢さが特徴。セント・バーナード、シベリアン・ハスキー、ロットワイラー、ニューファンドランドなど。
全体にサイズが小さいのが特徴。かつてはそれぞれの役割を持ち人間に仕えていたが、年月と共に人間の愛玩用、装飾用として繁殖されている。チワワ、ヨークシャ・テリア、ペキニーズ、パグなど。
総合的に活発で機敏、社交性のある犬種が集まるグループ。ポインター、リトリバー、セッター、スパニエルなどから成り立つグループ。コッカー・スパニエル、アイリッシュ・セッター、ラブラドル・リトリバー、ポインターなど。
羊や牛などほかの動物の群れをまとめる仕事をするために品種改良された犬種が集まるグループ。聡明で飼い主に忠実なのが特徴。コーギ、ボーダー・コリー、ジャーマン・シェパード、シェットランド・シープドッグなど。
独立心が強く、エネルギッシュ。行動が激しく、目的を果たすまでなかなかあきらめない。ミニチュア・シュナウザー、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア、スコティッシュ・テリア、ボーダー・テリアなど。
基本的にほかの6つのどのグループにも属さない犬種が集まるグループ。チャウチャウ、ダルメシアン、柴犬、フレンチ・ブルドッグなど。
ここで紹介したグループ分けはあくまでAKCの分類で、世界のほかの地域ではそれぞれの団体なりに犬種を認め、またグループ分けもかなり異なっています。
以前はドッグショーと聞くと、気位の高いブリーダーや飼い主たちが大金かけて飼育した純血統種の犬たちの集まりという印象があり、近寄り難く思っていましたが、数年前にひょんなことから見物したドッグショーで考えがすっかり変わりました。普段はテレビや本でしかお目にかかれない珍しい犬種をはじめ、本当に数多くの異なった犬種と一気に会える大変「おいしい」機会であり、また特定の犬種をこよなく愛するブリーダーたちから貴重な話が聞ける勉強の場でもあります。犬好きには天国のような催し、機会があればぜひ見に行ってください。
次回は「ハウンド・グループ」について詳しくお話しします。お楽しみに!
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