ディズニー・クルーズライン
バハマ4泊の旅 前編

文/佐藤美玲(Text by Mirei Sato) 取材協力/ミッキーネット

 ディズニー・ドリーム号は、2011年1月にデビューした。13万トンとかなり大きく、1250の客室がある。
 「お部屋の用意ができましたよ」と言われて、階下の客室へ向かった。ディズニーのクルーズでは、客室は「ステートルーム」と呼ばれる。部屋はバス・トイレつき。清潔で、機能的だ。ベッドやソファ、デスクやテレビ、クローゼットもあり、5日間を快適に過ごせそうだ。
 部屋ごとに「ホスト」と呼ばれるスタッフがいて、掃除やタオルの交換はもちろん、さまざまな質問にも答えてくれる。
 私のホストは、インドネシア・バリ島出身のギーデさん。客の名前をすぐ覚え、廊下ですれ違うたび、明るい声で気遣ってくれる。5日間を通して、いつ見てもかいがいしく動き回っていたのが印象的だった。
 船で働く人たちは、世界中から集まっている。制服の胸につけている名札に、名前と出身国が書いてあるので覚えやすいし、母国の話題で会話がはずめば、親しくもなれる。
 クルーズでは、朝食と昼食は船内のどこで食べてもいい。夜のディナーだけは、毎晩レストランが決まっている。「ローテーション・ダイニング」と呼ばれるシステムだ。日替わりで3カ所のメーン・レストランを回る。テーブルごとに客もサーバーも一緒に移動するのがユニーク。客とスタッフが、あるいは同じテーブルについた客同士が親しくなれるように、という配慮からだ。
 最初の晩のレストランは、カリフォルニア料理を出す「Animator’s Palate」だった。サーバーは3人1組。私のテーブル担当は、ジャマイカ出身のリンバルさん、インド出身のブライトンさん、トルコ出身のセロさんの面々。料理の注文や配膳だけでなく、テーブルを回って子供にマジックをして見せたり、バースデーソングを歌ったりと、忙しい。
 夜は、大劇場ウォルト・ディズニー・シアターで、オリジナルのミュージカルが上演される。レッドカーペットにミッキーが登場する趣向まであって、就寝時間を過ぎているのではと思うような小さな子供たちが、興奮して駆け回っていた。
 客室に戻ると、きれいにターンダウン・サービスがしてあった。ギーデさんだろう。
 明日は、バハマの首都ナッソーに上陸する。


1

2

3 4 5

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る