全米で広がる科学的リーディング5つのステップ

〜なぜ今「読む力」がすべての土台なのか〜 

いまアメリカの教育現場で中核となっているのが「サイエンス・オブ・リーディング」です。長年の研究から、子どもが確実に読めるようになるプロセスを体系化した方法で、現在多くの州で教育の基盤となっています。 

なぜここまで読む力が重視されるのでしょうか。それは、読む力が学力の土台であり、同時に思考力の土台だからです。教科書を読む。問題文を理解する。情報を比較する。自分の意見を持つ。すべては「正確に読める力」に支えられています。読めなければ、考えることはできません。 
読む力は段階的に育てます。 

【STEP1 音を聞き分ける】 

英語の音の違いに気づく力を育てます。 
家庭では、ライム(catとhatのように語尾の音が似ている言葉)を含む歌や、アルファベットと音の結びつきの規則を学ぶフォニックスの歌を日常的に流し、音に慣れさせます。 

【STEP2 フォニックスを身につける】

文字と音の関係を学ぶフォニックスの規則が分かると、初めて見る単語も自力で読めるようになります。 
家庭では、ネイティブ音源付きのフォニックス教材を使い、短時間でも毎日練習します。

【STEP3 正確に、流暢に読む】 

スラスラ読める状態をつくります。 
家庭では、やさしい本を毎日10分音読し、朗読音源も活用します。 

【STEP4 語彙を増やす】 

語彙量は読解力に直結します。 
ここで大切なのがサイトワーズ(the・you・saidなど、頻出で丸ごと覚える単語)の定着です。 
家庭では、サイトワーズを少量でも継続して確認します。

【STEP5 意味を理解する】 

読解力は十分な音読と語彙の土台の上に育ちます。 
家庭では、子どもに合ったレベルの本で多読を重ねます。少し楽に読める本を選ぶことが重要です。 
そして大切な注意点があります。 

第一に、和訳しないこと。 
英語は英語のまま理解する経験を積みます。 
第二に、アウトプット(英語ペラペラ)を急がないこと。 
読む力は、静かなインプットの積み重ねの先に育ちます。
ロサンゼルスで多くの子どもたちを見てきて実感するのは、読む力の土台が整った子は、英語力だけでなく思考の安定感も違うということ。読む力は、思考力です。焦らず順番を守ること。それが最短ルートです。 

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竹井カヨコ (Kayoko Takei)

竹井カヨコ (Kayoko Takei)

ライタープロフィール

ロサンゼルスのトーランスエリアとオンラインで子供向けの日本語と英語の語学スクールTLC for Kids LA校を主宰。広島大学の学校教育学部卒業後、小学校教諭として公立小学校の教育現場に勤務。教育委員会の施設で不登校児童のメンタルケアや学習サポート等にも携わる。延べ10年以上にわたり2000人以上の子どもたちと関わってきた経験を生かし、現在はロサンゼルスで1歳半から15歳の生徒やその保護者と日々接している。

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