英語力・学力・自信を育てる夏休みの過ごし方

文&写真/竹井カヨコ ( Text and photo by Kayoko Takei)

アメリカで実践!バイリンガル子育て ワンポイントアドバイス

Students knowing the right answer

アメリカの夏休みは約2カ月以上。学校の授業がないこの期間は、子どもの成長にとって大きなチャンスでもあります。一方で、学習から遠ざかることで「サマースライド(夏の学力低下)」が起こりやすく、特に英語に苦手意識のある子どもにとっては、休み明けの学校生活に不安を抱えることも。今回は、夏休みを有意義に過ごし、新学年へのスムーズなスタートにつなげるためのヒントをご紹介します。

学力低下「サマースライド」を防ぐには?

夏の間、勉強から完全に離れてしまうと、英語や算数などの基礎力が下がる「サマースライド」が起こることがあります。特に英語力は日々の積み重ねが重要。1日20〜30分の英語読書を習慣にすることで、学力の維持と語彙力アップが期待できます。

日本への里帰りは計画的に

夏に日本へ帰省するご家庭も多いですが、毎日遊んでばかりだと帰国後の学習や生活リズムに影響が出ることも。理想は、新学期の1カ月前にはアメリカに戻り、早寝早起きと午前中の学習を習慣づけること。オンライン学習や英語のサマープログラムを取り入れるのもおすすめです。

新学年をスムーズに迎えるために

新学年は、担任やクラスメイトが変わるなど、子どもにとって環境の変化が大きい時期。英語に苦手意識があると自信を失い、新しい環境への適応が難しくなることもあります。夏のうちに少しずつ英語のリズムを取り戻しておくことが、安心して学校に戻る第一歩になります。

■ サマープログラムで得られる成長

アメリカにはスポーツ、アート、STEM、国際交流など、多様なサマープログラムがあります。普段と違う環境や友だちとの出会いは、英語力はもちろん、コミュニケーション力や自立心の成長にもつながります。

プログラム選びのコツ

「友達が行くから」ではなく、子ども自身の興味に合った内容を選ぶことが大切です。得意なことに夢中になる経験は、自己肯定感を育て、次への挑戦にもつながります。たとえば、サッカーが好きな子にはプロチーム主催のキャンプなどが最適です。

 保護者の役割と情報収集

サマープログラムを選ぶ際は、内容や安全性、指導者の質、参加者の雰囲気などをしっかり確認しましょう。環境が合わないと、子どもにとってストレスになりかねません。事前に見学や問い合わせをして、安心できるプログラムを選ぶことが大切です。

 夏休みは13回しかない

キンダーから高校卒業まで、夏休みはたったの13回。毎年の夏の過ごし方が、子どもの将来に大きく影響します。英語力・学力・自信を育てる夏の時間を、最大限に活かしていきましょう。

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竹井カヨコ (Kayoko Takei)

竹井カヨコ (Kayoko Takei)

ライタープロフィール

ロサンゼルスのトーランスエリアとオンラインで子供向けの日本語と英語の語学スクールTLC for Kids LA校を主宰。広島大学の学校教育学部卒業後、小学校教諭として公立小学校の教育現場に勤務。教育委員会の施設で不登校児童のメンタルケアや学習サポート等にも携わる。延べ10年以上にわたり2000人以上の子どもたちと関わってきた経験を生かし、現在はロサンゼルスで1歳半から15歳の生徒やその保護者と日々接している。

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