フォードとフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、北米工場で小型車の生産を減らし、スポーツ多目的車(SUV)の増産に乗り出している。
ロイター通信によると、フォードは7日、販売が低迷するコンパクト車「フォーカス」と「Cマックス」を生産するデトロイト地域の工場について、年内の休止期間を5週間追加すると明らかにした。工場では時給労働者を中心に2445人前後が働いているが、生産休止期間中は大半がレイオフ(一時解雇)される。
最近の消費者の好みは、セダンやハッチバック型の乗用車からSUVやピックアップ・トラックに移っている。2016年1〜5月の新車販売に占める乗用車の割合は、前年同期の約46%から42%に低下し、フォーカスの販売も同期間に12%落ち込んだ。ガソリン小売価格がまだ1ガロン当たり3ドルを超えていた13年同期は乗用車が51%を占めた。政府によると、ガソリンは今夏に約2.27ドルまで低下すると予想されている。
一方でフォードは、国内とカナダの計5工場で夏季休業を通常の2週間から1週間に短縮し、需要が急激に高まるSUVとトラックの生産を強化する。このうちケンタッキー州ルイビルの組み立て工場は、人気モデルの1つであるSUV「エスケイプ」を生産している。
FCAの場合、国内とメキシコの5工場で夏季休業を見合わせるほか、3工場で2週間を1週間に減らす。
最大メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)は夏季休業計画を変更していない。GMは4月、熊本地震で日本から部品の供給が一部滞ったのを受け、手持ち部品をトラックとSUV工場に送り、大半が乗用車を生産する4工場を2週間閉鎖した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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