サイバー攻撃やデータ侵害、財物損害より深刻
- 2013年2月11日
- ハイテク情報
サイバー攻撃やデータ侵害を心配する企業経営者が増えている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が米国とカナダの企業のリスク管理担当者や幹部を対象に実施した調査では、85%がサイバー攻撃リスクを懸念しており、財物損害に対する懸念(80%)および投資リスクに対する懸念(76%)を上回った。
保険業界は10年以上前から、普通の商業保険の追加項目にサイバー・リスクを含めている。
最近では、企業が受ける被害の可能性やそれに備えた保険の機能を考える企業も増えており、サイバー被害保険の需要が強まっている。
「顧客は1年前と比べてサイバー・リスクがITにとどまらないという認識を深めている」とAIGの国際金融専門職賠償責任保険担当者は話す。
保険の卸ブローカー会社バーンズ&ウィルコックスでは、サイバー・リスク保険の販売が過去12ヵ月に二ケタの伸びを記録した販売担当者もいる。
「サイバー保険は最近までなかなか売れなかったが、1年ほど前から状況が変わり、価値が認められ始めた」とあるブローカーは話す。
また、この数年で保険料金も大幅に下がり、保険契約内容も改善されてきたため、企業の関心が高まっている。保険会社は現在、データ侵害や州法に関する対策指導のほか、顧客の質問に答える電話センターや、情報がどのように流出したかを判断する専門家も提供している。
米国では、最近だけでも米エネルギー省やツイッターをはじめ、大手企業、ウォール・ストリート・ジャーナルを含む複数の報道機関がハッカーに攻撃されている。
1月には、米銀行の一部で起きた一連のサービス不能サイバー攻撃にイランが関わっているとも考えられている。
そのほか、極秘情報の入ったラップトップを社員が紛失したり、会社の記録をID詐欺行為に誤って提供するといったリスクは日常的に存在する。
サイバー保険を比較的早くから利用しているのは、早期からハッカーの標的となっていた小売店で、大中規模の小売店では75%がサイバー・リスク関連保険に加入している。一方、小企業では約20%にとどまっている。
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