【ニューヨーク不動産最前線】
NYでは短期契約が認められていない?

最近は世界中で「エアビーアンドビー」が流行っていますね。日本でも2020年の来るオリンピックを待たずして、「ようこそジャパン」キャンペーンの成果かどうか、外国人旅行者の数が急増して民泊が増えているようです。ここニューヨークでも「エアビーアンドビー」が増えているようですが、そもそもニューヨーク市では、アパートの部屋を30日間未満の短期で貸すことや賃貸広告を出すことを法律で禁止しています。

NYの賃貸契約は12カ月以上が基本

市内のほとんどのコンドミニアムでは12カ月未満の賃貸契約を認めていません。コンドミニアムのオーナーが12カ月以下の短期で貸したいと言っても、ビルの規則で賃貸許可がおりません。セキュリティー上、短期間で入居者が変わるのを認めておらず、入居者の身元をビルが把握しておくために、入居審査にパスしたテナントだけが居住を認められる仕組みになっているためです。ホテル以外ではニューヨーク市内で1カ月未満の短期アパートを借りるというのはまず不可能なのです。

短期貸しを専門にしている建物や会社がありますが、やはり最低賃貸期間が30日となっています。特別許可を得て運営を行っており、家具やリネン類等、ホテルと同様の設備も完備しているため普通にコンドミニアムやレンタルビルを賃貸するよりもかなり割高になります。短期貸しを認めている住宅用建物の数が非常に少ないことも、これらの短期専用ビルの値段が高い一因です。

ホテルと違って短期貸し専用物件は基本的にはアパートなので、キッチン設備が部屋にあります。自炊にこだわっていて、かつお金に余裕がある人にはピッタリの物件かもしれません。

必ず必要な入居審査

一方、普通にアパートの賃貸契約をしようとすると、ビル管理組合の入居審査があります。コンドミニアムの賃貸契約をするためには、収入証明、雇用証明、税務申告の証明、バンクステートメントに加えて、ビルによっては個人およびビジネスレファレンスレターまで管理会社に提出が必要です。加えて、入居申し込みの関連フィーが1000〜2000ドルと、結構費用もかかります。

ちなみに審査期間は2〜3週間。例外なくこの入居審査にパスした人しか入居できません。自分が入居申し込みをする時にはとても面倒ですが、人種を問わず色んなタイプの人々が住んでいるニューヨークでは、同じビルにどんな人々が住んでいるのか分かっているということは大きな安心ですね。

お金さえ出せば誰でもいつでも部屋に入れていいというのは、やはり怖いです。たかがアパートの賃貸でなぜこんなに面倒なの、とおっしゃる方も多いのですが、安心と安全は住民全員の努力をなくしては手に入らないことをご理解のうえ、皆さんも協力してくださいね。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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