ソフトバンクグループは、共有オフィス運営大手ウィーワーク(WeWork、本社 ニューヨーク州)に対する多額の増資を検討している。ソフトバンクは2017年8月、ウィーワークに44億ドルを出資し、同社の企業価値を200億ドルに引き上げたが、ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えたところによると、増資によって評価額は350〜400億ドルになる可能性がある。これはベンチャーキャピタルが支援する米新興企業としては首位のウーバー・テクノロジーズに次ぐ水準。
今回の投資も17年と同様、ソフトバンクの投資部門でIT分野を対象に920億ドルの資金を運用しているビジョン・ファンドが主導する可能性が高い。ビジョン・ファンドの運用責任者ラジーブ・ミスラ氏は、6月上旬にロンドンで開催されたテックカンファレンスで、ウィーワークが企業評価額350億ドルを目指して資金調達を計画していることを明らかにし「過大評価かもしれないが、数年後には1000億ドルの企業になると思う」と語っている。ウィーワークのアダム・ニュ ーマンCEOは最近、ソフトバンクの孫正義会長と東京で会ったという。
ウィーワークに関しては、オフィススペースのリースを主力とする企業がなぜIT企業並みの高額評価を受けるのか疑問視する向きもあるが、投資家は、同社が世界のオフィス市場の再編を主導し、将来は長期リースをやめてウィーワークの 柔軟な条件を受け入れる企業が増えると考えている。
10年に設立されたウィーワークは、フロアやビル全体を長期でリースし、カフェバーや前衛的な家具などを備え、スペースを分割して個人や中小企業、または大手の一部門などに月や年単位で貸し出している。仕事場だけでなく、寮のよう な住宅、フィットネスクラブ、小学校まで作り出しているほか、検索エンジン最適化会社やサーファー向けの人工波プール(ウェイブプール)メーカーも買収している。
ソフトバンクにとっては、サウジアラビアやアブダビの政府投資ファンドなどが出資するビジョン・ファンドの資金活用につながる。ビジョン・ファンドは、ウーバーなど世界中の配車サービス会社や、犬の散歩代行アプリを手がけるワ グ・ラブズ(Wag Labs)のような新興企業にも出資している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月25日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
EV時代もガソリンスタンドは重要拠点に
-
2024年7月22日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
ビザ、生成人工知能による不正防止技術を新たに導入 〜 総額100億ドルの投資で年間400億ドルの防止効果
-
ジョー・バイデン大統領、出馬を断念 〜 身内や主要献金業界からの説得についに応じる
-
2024年7月18日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 米国ビジネス
マレーシア、アジアのデータ・センター拠点として台頭 〜 クラウドと人工知能による需要増で米国からの投資を呼び込む
-
2024年7月17日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
AT&Tのデータ侵害、スノーフレイクの巻き添えに 〜 2.4億人の携帯電話顧客と仮想通信網顧客会社が被害に
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で