若者を中心にワッツアップのようなメッセージ・アプリを使う人が増えた結果、フェイスブック(FB)のようなソーシャル・メディア・ネットワークでニュースを読む人が減っていることが、ロイターズ・インスティチュート・フォー・ スタディ・オブ・ジャーナリズムの最新調査で分かった。
ロイターズ・インスティチュートが世界の37市場で7万4000人を対象に実施した調査によると、2018年にニュースソースとしてFBを使っている人は17年から9%減少し、特に低年齢層では20%減少した。
ロイターズ・インスティチュートのニック・ニューマン研究員は「ニュースソースとしてのソーシャル・メディア利用は、何年も成長が続いた後いくつかの主要市場で減り始めている。消費者がより私的な(対立の少ない)空間を求め始め、メッセージ・アプリの利用が増え続けている」と指摘した。
調査の大部分は、米大統領選をめぐる不正広告や偽ニュースでFBが批判を浴びた18年1月より前に実施された。09年設立のワッツアップは、14年に190億ドルでFBに買収され、ニュースソースとしての重要性は多くの国でFBの同業ツイッターを上回っている。
回答者の中には、今もFBでニュースを見るが、ニュースに関する意見交換などはより親しい友人同士で行うため、記事を「ワッツアップ・グループ」に掲示している人もいる。
ニュースを共有する方法は地域によって違いが見られ、中南米とアジアではワッツアップや写真共有アプリのインスタグラムの人気が高く、欧州と米国ではメッセージ・アプリのスナップチャット利用者が増えている。
メディアをほぼ信頼しているという人は世界的には半分近くいたが、米国ではわずか34%で、前年から4ポイント低下した。米国で最も信頼されているニュース・ブランドはローカル・テレビ局とウォール・ストリート・ジャーナルで、英 国ではBBCニュースとITVニュースだった。
米国では、FOXニュースとブライトバートが政治的右派の人々に、CNNは左派に信頼される傾向が強い。また、全国放送として長い報道の歴史を持つニュース・ブランドが最も信頼される傾向にあり、人気の新聞やデジタル系のブランドは信 頼度が低かった。公共放送は全般的に信頼度が高かった。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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