携帯通信キャリヤー、VoLTEを視野に

 米国の携帯電話サービス事業社(キャリヤー)は、第4世代の高速携帯通信網「LTE(Long-term Evolution)」を利用した音声通信の導入を進めている。それによって通信網の効率化を図りたい考え。

 キャリヤー大手はこれまで、数十億ドルを費やしてデータ通信網の改良に取り組んできた。その一方で、音声通信に関しては、10年以上前の技術を使い続けている。

 しかし、データ通信が主流になるなかで、音声専用の帯域を維持するより、IP電話に切り替えるほうが一元的な管理が可能になる。そこで注目されているのが、LTEを音声通信に使う「VoLTE」だ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、AT&Tとベライゾン・ワイヤレスは、VoLTEサービスを2013年内に開始する方針を打ち出し、スプリント・ネクステルとTモバイルUSAも同技術に移行する方針だ。

 ただ、業界専門家の一部は、VoLTEへの移行には時間がかかると指摘する。主な理由は、セキュリティ懸念と言われる。

 一方、消費者は、VoLTEへの移行による恩恵を直接受けることはない。むしろ、移行後のサービス質が安定するかどうかという疑問も指摘される。

 音声通信は、IP電話のようにデータ通信を利用するサービスが普及するにつれて利用が減少しつつある。そのため、キャリヤーとしては、従来の音声通信システムをデータ通信に速やかに移行させたいという思惑を抱いている。

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