数十年にわたって郊外型ライフスタイルに不可欠だったミニバンの需要が低下し、米消費者はSUVに移行している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、米ミニバン販売台数は、過去2年間に13%減少した。2019年もさらに減少し、1~6月は前年同期比16%減。半ばまで景気後退が続いた09年に新車販売が底を打って以来、上半期では最大の落ち込みとなった(いずれもウォーズ・インテリジェンス調べ)。
ミニバンの米市場シェアは、08年の4.5%から18年は2.8%と、過去10年で着実に低下した。JDパワーによると、18年のミニバン販売は約48万2000台だった。しかもその38%はレンタカー会社をはじめとする大口購入だった。
今のSUVは、大部分が7人もしくはそれ以上が乗れるようになっている。アナリストやディーラーによると、SUVはより行動的なスタイルを求める消費者にとって魅力的で、それがなければミニバンを購入していた消費者を引きつけている。ウォーズによると、これらの大型SUVは19年上半期販売が前年比20%増となっている。
セントルイス地域にミニバンやSUVを扱う店舗を複数所有するジム・バトラー・オートグループのブラッド・ソウヤー社長は「消費者が求めるのは機能性だけではなく、スタイルも重視される。ミニバンのスタイルはもう流行遅れだ」と言い切った。
1990年代から2000年代にかけて「ミニバンと言えば郊外家庭の母親」というイメージが定着したが、米国ホンダの製品開発部門責任者、ゲーリー・ロビンソン氏は「女性は特にそのイメージで見られたくないという思いから、自分のスタイルを確立しようと模索している」と語った。
現在、ミニバンを販売しているメーカーは、ホンダ、FCA、トヨタ、起亜の4社だけとなっている。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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