「領土への脅威」明記 新エネ、TPP戦略も
- 2013年3月27日
- 日本発ニュース
【共同】外務省がまとめた2013年版外交青書の原案が27日、分かった。12年9月の沖縄県・尖閣諸島国有化を機に領海侵入を繰り返す中国の動向に触れ、直面する安全保障問題として「領土・領海・領空に対する脅威」を挙げたのが特徴だ。新型天然ガス「シェールガス」の獲得へ、戦略的なエネルギー外交を展開する方向性を鮮明にした。岸田文雄外相が4月5日の閣議に報告する。
安倍晋三首相が決断した環太平洋連携協定(TPP)に関し、可能な限り早期に交渉参加するとした上で「強い交渉力で国益を最大限に実現するよう全力を尽くす」と強調。アジア太平洋地域の安保情勢では、中国艦船によるレーダー照射事案など、中国による軍備増強や海洋活動に懸念を示した。韓国が実効支配する島根県・竹島は「歴史的事実に照らしても国際法的にも日本固有の領土」と位置付け、平和的解決を目指すとした。
日米関係では「米軍の前方展開を確保し、日米安保体制の抑止力向上を目指すことがアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠」と説明。宇宙、サイバーなど各分野での協力推進を提唱した。米国で生産が拡大するシェールガスに関して「エネルギー確保のための戦略づくりが今後の課題」とした。
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