小売り店からレジが消える〜スマホやタブレットで会計
- 2013年4月5日
- 米国ビジネス
国内の百貨店や小売り店で、レジスター(金銭登録機)を廃止して会計にスマートフォンやタブレットで対応する動きが広がっている。
AP通信によると、高級百貨店のバーニーズ・ニューヨークは今年、7店舗でカード清算用のアイパッドやアイポッド・タッチを導入する計画だ。若者向け衣料販売のアーバン・アウトフィッターズも、昨秋に購入したレジを最後に、今後は完全な会計のモバイル化を進める。小売り世界最大手のウォルマートは、買い物客が自分で購入商品をスキャンできる「Scan & Go」アプリケーションを試験導入している。
バーニーズのダニエル・ビターレ最高執行責任者(COO)は、「伝統的なレジは時代遅れになりつつある」と語った。
店側がスマホやタブレットの導入に前向きなのは、レジほどスペースを取らないほか、レジ係を接客要員に振り分けることもできるため。価格も1台約4000ドルのレジに対し、カード読み取り機能などを備えたアイパッドは1500ドルと手ごろだ。消費者の間でも、店舗にオンライン購入と同様の迅速なサービスを望む声が高まっている。
このため、レジ製造の老舗NCR(旧ナショナル・キャッシュ・レジスター)は、自社製ソフトとアイパッドの統合を始めた。開発中のレジはキーボード部分がアイパッドになっており、取り外しが可能でモバイル決済にも使える仕組みだ。
しかし、モバイル機器での現金決済を受け付けない小売店が多く、カード決済で列に並ぶことを嫌う消費者も多いため、モバイル機器が旧来のレジに完全に取って代わるには課題も残されている。
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