大容量データ分野での最新動向 〜買収から新製品、新興企業の動きまで

 大容量データ(Big Data)関連事業をとりまく環境がめまぐるしく変化するなか、データ・センター・ノーレッジ誌によると、この数日間に大きな動きが三つあった。

 まず、大容量データ技術企業アクティアン(Actian)によるパーアクセル(ParAccel)買収が挙げられる

 パーアクセルの大規模データ分析技術は、アマゾン(Amazon)ほか、スコットランド王立銀行、オフィスマックス、マイクロストラテジーといった大手企業で採用されている。

 アクティアンは、パーアクセルのデータ管理および分析技術を統合することで、エンド・ツー・エンドのデータベースの構築から分析まで一環したサービスを提供する計画だ。

 パーアクセルがアクティアンに吸収されることで、パーアクセルの顧客企業は、多様なデータ・ツール群を使って、独自に収集するデータの価値を上げることができると期待される。

 自動車市場に関する様々なデータを提供するオートメトリクス(Autometrix)は、アクティアンによるパーアクセル吸収を歓迎する顧客企業の一つ。オートメトリクスは150以上のウェブサイトから膨大な量のデータを集め、自動車メーカーやディーラーに有益情報を提供している。

 そのデータの量(記録件数)は一日あたり数百万件という膨大さだ。オートメトリクスは、アクティアンとパーアクセルの大規模データ技術を使うことで、自動車市場動向分析内容の質を高められると期待する。

 次に挙げられるのは、データ・ウェアハウス・サービスを提供するテラデータ(Teradata)の新製品だ。テラデータは、SASハイパフォーマンス・アナリティクス・モデル720に対応したテラデータ・アプライアンスを発表。

 同製品は、SASビジュアル・アナリティクスにも対応し、テラデータのデータ分析ソフトウェア上でビジュアル・アナリティクスを使うことで、大容量データに埋も隠れたパターンを瞬時に発見できるようにする。また、発見されたパターンをパソコンやタブレット、スマートフォンで即視覚化することも可能。

 最後に、新興企業のキューボール(Qubole)が有力ベンチャー・キャピタル(VC)から投資を獲得したことが挙げられる。

 キューボールは、チャールズ・リバー・ベンチャーズ(Charles River Ventures)とライトスピード・ベンチャーズ(Lightspeed Ventures)、複数の投資家たちから初期投資として総額700万ドルを調達したことで、有望視される大規模データ分析技術企業として関心を集めている。

 ハドゥープ(Hadoop)基盤のサース(SaaS=Software-as-a-Service)「キューボール・データ・サービス(Qubole Data Service)」は、クラウド電算環境に対応した分析プラットフォームで、多様な電算環境からデータを集め、タブロー(Tableau)やエクセルといったアプリケーションで使えるフォーマットに変換する。

 キューボール・データ・サービスはまた、SQLやNoSQL、MPPプラットフォーム向けのコネクターを用意しており、アナリストやデータ処理担当者らがデータセットを簡単に加工できるよう設計されている。

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