荷物と予約変更で60億ドル超〜12年の手数料収入、米航空業界
- 2013年5月20日
- 米国ビジネス
2012年、米主要航空会社が預け入れ荷物と予約の変更で徴収した手数料は合計で60億ドルを超えたことが、運輸統計局(BTS)の集計で分かった。
AP通信によると、国内業界上位15社が昨年徴収した荷物手数料は前年比3.8%増の35億ドル、予約変更手数料は7.3%増の26億ドルだった。15社の総売上高は1595億ドル、支出は1536億ドルで、3.7%の利益率はすべて荷物と予約変更手数料から生まれた。
手数料収入が最も多かったのはデルタで、荷物手数料だけで8億6590万ドルに上った。ただし同社は乗客数も最多で、乗客1人当たりの荷物手数料はほぼ業界平均と同額の7.44ドル、最高は格安航空会社スピリットの19.99ドルだった。
航空会社が1個目の預け入れ荷物から手数料を取り始めたのは08年から。これは46%も上昇した燃料代を補うためだったが、手数料はその後も上がり続け、現在は一般的に1個目が25ドル、2個目は35ドル前後で、重量や大きさが規定を超える場合はさらにさまざまな追加料金がかかる。
また、アメリカン、デルタ、ユナイテッド、USエアウェイズは、いずれも最近国内線の予約変更手数料を150ドルから200ドルに引き上げた。
預け入れ荷物や予約変更で手数料を徴収していないサウスウェストも、予約はしたが利用しない人(no-show)に関する新制度を発表し、最も安いチケットを購入しながら使わない場合は、離陸前に解約しないとそのチケットのクレジットを後日のフライトで使うことができなくなった。
乗客は基本運賃が高いとチケット購入に消極的になるため、航空会社はさまざまな手数料で収入を増やそうとしており、足元のスペース、安全検査の優先通過、高級メニューなども有料で提供している。ユナイテッドは、足元の広い「エコノミー・プラス」席に対する手数料を需要に応じて調整し、これらの座席の価値を12年は25%も高めており、13年末までには乗客1人当たりの手数料収入を19.29ドルと前年比で9.1%引き上げる目標を掲げている。
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