スマート・メーター活用には分析ソフトウェアが必要 〜真の利点を追求
- 2013年6月26日
- 環境ビジネス
全米各地の電力会社でスマート・メーターの導入が進んでいるが、その真の利点を実現するには分析ソフトウェアが必要になると指摘される。
グリーンテック・メディアによると、スマート・メーターを導入した基盤システム、いわゆるアドバンスト・メータリング・インフラストラクチャー(AMI)は、送電網を近代化するうえで最初のステップとなる。
GTMリサーチの最近の報告書では、スマート・メーターの導入を通じてこんにちまでに電力会社が実現した主な利点は、請求に際して現場に作業員を派遣してメーターを読み取る必要がなくなったことによるコスト削減だと言われる。
しかし、スマート・メーターには、様々な状況の監視や記録をする能力がある。送電網の運用状況をリアルタイムで把握して管理するといったAMIの真の利点は、分析ソフトウェアを導入して初めて実現すると指摘される。
電力会社もその現実を認識している。多くの電力会社がAMIデータの基本的な利用をすでに実現している一方、その活用度にはまだ満足していないことが、聞き取り調査で明らかになった。
AMIデータの今後の用途としては、停電管理や電圧最適化、資産管理、顧客細分化、負荷予測、需要反応、収益確保に期待がかかっている。
AMI向けのソフトウェア分析市場は、今後の成長が最も有望視される市場の一つだ。送電網運用技術とITが融合するうえでの触媒になるとみられる。ただ、現状はなおも黎明期にあり、スマート・メーター導入が比較的進んでいる地域ですら分析ソフトウェアの普及は緩慢だ。
ソフトウェアの導入が加速するには、システム・インテグレーションといった技術的課題の解決に加え、電力業界の文化の変化も必要になると指摘される。
また、電力会社や技術ベンダーの間では、公益データの標準化を求める声もある。それが実現するまでは、AMIの主な利点はメーター・データ管理システムの能力に依存するところが大きいだろう。
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