iPad導入でコスト削減〜航空各社、操縦士向け書類で
- 2013年7月1日
- 米国ビジネス
航空機の操縦に必要な書類を電子化し、タブレット型多機能端末に入れてパイロットに支給する航空会社が増えており、情報管理の簡略化やコスト削減で効果が表れている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ジェットブルー・エアウェイズはこのほど、紙のマニュアルをアップルの「アイパッド」と交換して2500人のパイロットに使わせる許可を政府当局から取り付けた。アメリカン航空では既に8000人のパイロットのほとんどがタブレット端末を携行しており、マニュアルや航行チャートをアイパッド1台にまとめることで、パイロット1人当たり推定3000ページ分の紙が削減されたという。
また、アラスカ航空はパイロットの研修でアイパッドを使っており、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスはこの4月、1万人のパイロットにアイパッド携帯を義務づけた。サウスウェスト航空でも6月、パイロット150人を対象にアイパッドの試験運用が始まり、第3四半期には対象がさらに550人増える予定。
これまで操縦室乗組員が持ち歩かなければならなかった紙は相当な量で、パイロットは離陸前に必要書類をかばんから取り出し、クリップボードに固定するなどして準備を整え、運航計画が変更されればまた別のチャートをかばんから取り出さなくてはならなかった。パイロットのかばんは重さが35ポンドを超えることも多く、パイロットの労働災害の主因となっている。
アメリカン航空は、パイロットが機内に持ち込む荷物が軽くなることで年間約40万ガロン、120万ドル相当の燃料を節約できると見込んでいる。
今のところパイロットのアイパッドには飛行中のインターネット接続が認められていないが、 実現すれば気象情報の即時更新やルート・プランニングなども可能になるため、将来のネット接続を目標にしている航空会社もある。
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