東芝、 サイバーグリッドを買収 〜エネルギー管理ソリューションを強化
- 2013年7月3日
- 環境ビジネス
東芝は3日、オーストリア企業サイバーグリッド(cyberGRID GmbH)の76%を買収したことを明らかにした。サイバーグリッドは、エネルギー管理ソリューションの開発およびプロバイダー。
4トレーダーズ誌によると、東芝はスマート都市事業を欧州で展開しており、サイバーグリッドを傘下に収めることで、再生可能エネルギー事業がますます強まる欧州市場において電力管理を最適化する技術拡充を図る。
東芝は、今後の事業展開としてスマート都市事業を成長分野として位置付けている。スマート・メーター開発大手のスイス企業ランディス+ギアー(Landis+Gyr)を買収したことも、同事業に関する東芝の戦略的買収の一環。
東芝はまた、2013年2月に、米エネルギー管理技術会社のコンサート(Consert)を買収している。
ランディス+ギアーとコンサート、そして今回のサイバーグリッドの買収によって、東芝は、欧州と米国でのスマート・メーター事業と電力消費効率化で存在感をさらに高め、同分野での世界的大手に躍進しつつある。
サイバーグリッドの中核製品は、消費される電力量と多種多様の分散型発電の需給均衡を維持するためのVPP(Virtual Power Plant)ソリューション。
VPPは、電力需要ピーク時に消費量を抑制したり電力調達を最適化する従来の手法に比べて需給均衡および需要反応(DR)のコストを大幅に抑えるとともに、二酸化炭素の排出を増やさないという利点を武器にする。
電力会社は、サイバーグリッドのVPPを導入することで、基幹設備を大幅に改善することなく数ヵ月以内に新たな電力を確保できるようになる。VPPはスロヴェニアですでに商業利用されており、ユーロ圏での販売を好調に伸ばしている。
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