IBM、オランダの水路管理に大規模データ 〜洪水対策と管理費削減を

 オランダ政府とIBMは、オランダの運河を管理し洪水対策を改善するとともに、水道管理予算を最大15%削減することを目指した大規模データ・プロジェクトを進めている。

 コンピュータワールド誌によると、「デジタル・デルタ」と呼ばれる同プロジェクトでは、IBMがオランダ国土交通省の水運管理局(Rijkswaterstaat)と協力して、オランダ全域の水路や運河の設計と建設、管理、維持に当たる。

 同プロジェクトには、デルフト大学や地元水道当局デルフラント(Delfland)、デルタレス科学研究所(Deltares Science Institute)も参加する。

 IBM事業開発担当のディジーバン・シュフェリ氏によると、当面の目標は、オランダ国内100ヵ所以上の管理局で収集されるデータを統合できるかどうかを見極めることだ。

 同プロジェクトが成功すれば、その手法や原理をほかの地域にも応用できる可能性が高い。同様の考えは、ニューヨークやニューオリンズ、さらに日本、韓国、オーストラリアでも検討されている。

 オランダで現在収集されている関連データには、降水量や水位、水質、堤防の状況、モデル予測、ポンプ基地やダムの維持管理状況に関するデータがある。今後1年をかけて、IBMはそれらのデータ統合の可能性を調査する。

 オランダの人口の55%は、洪水の可能性が高い区域に住んでおり、水道および水運管理予算は年間92億ドルに上る。このコストは、2020年までに大幅に上昇すると予想される。データを統合することでそのコストを最大15%削減できる、とIBMでは予想する。

 たとえば、衛星からの監視データを堤防管理者が利用することで、堤防に取り付ける検知器の数を減らせる可能性がある。また、水源に検知器を付け、気象データや維持管理データを併用することによって、大雨時の氾濫を予測できるようになる。

 それらのデータ分析および管理には、IBMのインテリジェント・ウォーター・ソフトウェアが使われる。デジタル・デルタのプラットフォームを介して情報が共有される予定だ。

 最終的には、天候変化をモデル化したうえで最適の貯水池を選び、海水が浄水に混じるのを避けたり、下水の氾濫や汚染を防止したりするなど、様々な角度から水道管理を向上させるのが、デジタル・デルタの目標だ。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
STS Career

注目の記事

  1. 2025年12月1日

    就職&雇用ガイド2025
    監修 STS Career https://usfl.com/author/stscar...
  2. 2025年10月8日

    美しく生きる
    菊の花 ノートルダム清心学園元理事長である渡辺和子さんの言葉に、「どんな場所でも、美しく生...
  3. 2025年10月6日

    Japanese Sake
    日本の「伝統的酒造り」とは 2024年12月、ユネスコ政府間委員会第19回会合で、日...
  4. アメリカの医療・保険制度 アメリカの医療・保険制度は日本と大きく異なり、制度...
  5. 2025年6月4日

    ユーチューバー
    飛行機から見下ろしたテムズ川 誰でもギルティプレジャーがあるだろう。何か難しいこと、面倒なこ...
  6.        ジャズとグルメの町 ニューオーリンズ ルイジアナ州 ...
  7. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  8. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
ページ上部へ戻る