IT企業の営業に強い味方が登場 〜セルジファイのデータ抽出サービス
- 2013年7月25日
- ハイテク情報
特定の商品を求める企業を特定することは、営業担当にとって至難の業だが必要な能力でもある。時には、高額の潜在顧客リストを専門業者から購入しなければならないこともある。
それを解決すべく登場したのが、新興企業のセルジファイ(Salesify)だ。同社は、可能性の高い潜在顧客を絞り込むクラウド型データ関連サービスを立ち上げた。
ベンチャービート誌によると、セルジファイが提供するのは、サース(SaaS=Software-as-a-Service)基盤のテックリーズ・オンライン(TechLeads Online)という購読制データ割り出しサービス。それを使うと、たとえば、特定のIT製品を使っている企業を抽出でき、それらの企業が使うソフトウェアや最近購入したハードウェア、競合製品を使っているかどうかも分かる。
同社のオリバー・デング最高財務責任者(CFO)によると、セルジファイは、一般に公開されている14の異なる情報源から集めてきた大規模データ(Big Data)を分析して、その分析結果をもとにテックリーズ・オンラインを提供している。
必要となる分析は、独自開発した自然言語処理用エンジンのほか、一部についてはフィリピンの事業所で人手によって実施している。それによって、数百万におよぶわずかな材料を組み合わせることで、特定の企業がどのようなIT製品を使っているのかを正確に特定できるようにした。
同社は現在、およそ30万社の中規模および大企業の使用IT製品情報を集めており、対象企業数は1週間あたり3万〜4万社増えている。
テックリーズ・オンラインの利用方法の一つとしては、たとえば、ある利用企業の場合、サーバー市場とデータベース市場の内情を詳しく知るために、まず、インテル(Intel)製プロセッサーのイタニアム(Itenium)を搭載したサーバーを機種番号をもとに検索し、そこからそのサーバー利用企業を抽出して、さらにそのなからオラクル製データベースを導入している企業を割り出した。
企業を特定することで、どこにどのようなIT製品を売り込めば売りやすくなるかを判断できるようになる。
セルジファイによると、テックリーズ・オンラインを導入すれば、基本的には、いかなるハードウェアやソフトウェア、クラウド・サービスを追跡できる。また、その精度は95%だと同社では保証している。
大量の電子メールを送るという販促は一般に、開封される確率が1〜1.5%だと言われる。1万通送って100〜150人が開封する計算になる。ただ、取り引きにつながる開封となるとその確率ははるかに低くなる。それでも、潜在顧客送信先リストは高額であり、効果の割に営業コストとして黙殺できないほど大きい。
デング氏は、テックリーズ・オンラインを使えばその確率を格段に引き上げることが可能となる。取り引きにつながる可能性の高い引き合い1件あたり1ドルくらいというのが、テックリーズ・オンラインの利用料になる、と同氏は説明している。
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