エクイニクス、燃料電池で防火も図る 〜データ・センターの酸素量制御
- 2013年7月26日
- ハイテク情報
データ・センター運営大手のエクイニクス(Equinix)は、フランクフルトの施設に100キロワットの燃料電池を設置した。
ギガOM誌によると、この燃料電池「クワトロジェネレーション(QuattroGeneration)」は、年間80万キロワット時の発電力を有し、さらに発電過程の副産物として60万キロワット時に相当する暖房および冷却用の水を生成する。
燃料電池は富士電機が製作し、ドイツの開発業者エヌツーテリジェンス(N2telligence)が設置した。
エクイニクスは、クワトロジェネレーションをデータ・センターに設置したことについて、送電網に依存せずに温暖化ガス排出量が少ないという利点に加え、防火の面でも優位性があると説明している。
クワトロジェネレーションは、燃料として天然ガスを使用し、周囲の空気から酸素を取得するため、結果として酸素含有率が低く窒素含有率の高い空気が生成される。
「保護対象の物質によって水準は異なるが、酸素を一定水準に下げることで可燃性を抑えることができる」「データ・センターでは15 vol %(ボリューム・パーセント)の酸素が望ましい」「このシステムは、室内の酸素量を正確に制御できる」とエヌツーテリジェンスは話している。
エクイニクスは、窒素含有率の高い空気を建物内に充満させることによって、火災予防という利点も考慮した。データ・センター火災は頻繁に起きる火事ではないが、発生すればインターネット・サービスを停止させる可能性がある。
同データ・センター内には酸素含有率を計測する検知器が各所に配置され、エクイニクスとエヌツーテリジェンスが24時間体制で監視にあたる。
エクイニクスによると、今回の燃料電池導入によって、FR4のエネルギー消費は24%削減され、二酸化炭素排出量は年間150トン削減できる見込みだ。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ