中古スマホの価値高まる〜キャリヤーが下取りプラン開始

 中古スマートフォンの再販価値が高まっており、通信サービス(キャリヤー)大手は現在使う電話の機種を頻繁に上級機種に更新できる「トレードイン・プラン」の提供を始めた。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、従来の携帯電話契約では、新機種に切り替えるには現行機種の代金支払いを終えなければならなかったため、機種の更新が進まず、更新後は古い電話が家の引き出しに眠ることが多かった。

 ところがTモービルUSA、AT&T、ベライゾン・ワイヤレスは7月から、一定の条件を満たせば6〜12カ月で機種を更新できるサービスを開始した。 AT&Tのジョン・スティーブンス最高財務責任者(CFO)は「この企画が可能となったのは、多くの電話機の再販価値が200〜250ドルと高いため」と話しており、トレードイン(下取り)された電話は修理、調整して低価格で再販するか、盗難保険などの交換用に使う予定だ。

 スプリントは3社より先にトレードイン制度を導入しており、実店舗での契約では10件中4件の割合で利用されている。中古品の価値を生かすこうした動きによって、スマホ市場は中古品の下取りが新品の販売を促進する自動車市場のようになる可能性がある。

 長年、米国人が使わなくなった中古電話の市場は海外にあった。一部はイーベイや卸業者を通じて国内で売られるものの、大部分はブライトスターやガゼルといった再販業者によってアジア、アフリア、南米などに流れ、米キャリヤーも中古機種の再販事業には目を向けなかった。

 しかし、国内の中古電話市場は急成長しており、15年までに年間売上高が50億ドルに達する可能性がある。米消費者は、長期契約をすると本体が安くなるために自分の電話機の価値を知らない人も多いが、例えば3年以上前に契約者に200ドルで販売され、現在は多くのキャリヤーが無料で提供しているアップルの「アイフォン4」は、ガゼルに130ドルで売ることができる。

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