NSA情報活動、米企業に打撃〜クラウド・サービスの解約増える
- 2013年8月5日
- 米国ビジネス
国家安全保障局(NSA)によるIT企業を通じた情報監視活動が明らかになったことで、米クラウド・サービス業者のビジネスに悪影響が出始めている。
IT情報サイトのコンピュータ・ワールドUKが発表した最新調査によると、非米国企業の代表207人のうち10%が、米IT企業による当局への情報提供が発覚した後に米国のクラウド・サービス業者との契約を取りやめたと答えた。また、56%は米国を拠点とするクラウド・オペレーターと関わることをためらうようになっている。
インターネットを通じて電算処理、情報保管を行うクラウド・コンピューティングやストレージは巨大かつ成長中の市場で、ハイテク調査ガートナーは関連サービスの世界市場は2013年に18.5%拡大し1310億ドルに達すると予想している。
欧州のクラウド・サービス業者は現在の状況を好機ととらえ、クラウドシグマ(CloudSigma、スイス)のロバート・ジェンキンス最高経営責任者(CEO)は6月に一連の報道が始まった直後から「海外での競合という点では米企業にとって非常に大きな痛手」と指摘した。シティ・ネットワーク(City Network、スウェーデン)のヨハン・クリステンソンCEOは「データをスウェーデンに保管したいからと当社に来る客が多い」と話す。
ドイツのハンスピーター・フリードリヒ内務大臣も「通信が監視されることを懸念する人は米国のサーバーを経由しないサービスを使うべき」と話している。米国ではブッシュ前政権時代から、テロ対策として成立した愛国者法により盗聴活動などに対する政府権限が拡大していたため、外国の消費者の間では米クラウド・サービス会社に関する懸念が高まっていた。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ