人工培養した牛肉、味は今ひとつ〜英国でハンバーグ試食会
- 2013年8月6日
- 米国ビジネス
牛の細胞を培養して作られた肉を使ったハンバーグが5日、ロンドンで報道陣を前に調理、試食された。
AP通信によると、培養牛肉の開発を指揮したオランダ・マーストリヒト大のマーク・ポスト教授(心臓生理学)は、人工ハンバーグが最終的に世界の食料不足や気候変動などの問題を解決する助けになることを期待している。
試食会の模様を配信した動画にはグーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏が登場し、この研究に33万ドルを出資したことを明らかにした。
試食したボランティア2人のうち、オーストリアの栄養士ハンニ・ルーツラー氏は「肉に近いと言える。塩とこしょうが欲しい」と語った。一方の米ジャーナリスト、ジョシュ・ションウォルド氏は、「脂肪がない。でもかんだ感じは普通のハンバーグと変わらない」と述べた。2人とも、肉だけを味わうためパンにトマトなどと一緒に挟んだりせずに試食した。
ポスト教授が率いるチームは、5年をかけて牛肉の培養技術を開発した。牛肉は、約2万本の筋状になった段階で約140グラムのハンバーグに合成された。
米タフツ大学の幹細胞研究者ジョナサン・ガーリック氏は、「私は菜食主義者だが、このハンバーガーを食べるため行列の先頭に並ぶつもり」と話した。自身も人間の皮膚組織開発で同様の技術を使った経験があるという。
動物愛護団体のPETAも、人工牛肉研究への支持を表明した。イングリッド・ニューカーク代表は「食用に鳥や牛、豚を殺そうとする人がいる限り、この研究を全面的に支持する」と語った。
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