GE、小口金融の分離を計画〜工業重視戦略の一環
- 2013年8月30日
- 米国ビジネス
複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)が、重要な金融資産である小口金融部門のスピンオフ(分離・独立)を計画していることが分かった。
ウォールストリート・ジャーナルが関係者の話として伝えたところによると、スピンオフは新規株式公開(IPO)の形で、2014年初頭に実施される可能性がある。JPモルガン・チェイスやゴールドマン・サックス・グループが準備を進めているが、スピンオフの規模を縮小したり資産売却で切り離す可能性もある。IPOより売却の方が速くて簡単だが、事業規模が大きいため買い手がつかない恐れもあり、大手銀行による大規模な買収は法的にも難しい。
GEの金融部門GEキャピタルは、今や資産で国内5位の商業銀行に成長している。このうち小口金融部門は、ウォルマート・ストアズやバナナ・リパブリックといった小売店のストア・クレジットカードを5500万人の消費者向けに発行しており、12年の売上高は155億8000ドル、利益は22億ドルで、貸付残高はGEキャピタルの総額2740億ドルのうち500億ドルを占めている。
消費者金融は、過去30年にわたって米経済やGEの利益拡大に貢献してきたが、07年以降の金融危機で壁に直面した。近年の投資家は金融事業の比重が大きすぎる企業への投資に消極的で、GEの株価は同じ工業主体の複合企業でもハネウェル・インターナショナルやユナイテッド・テクノロジーズといった大規模な金融事業を持たない他社ほど伸びていない。
ジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)は、工業部門を重視すべきという市場の圧力を感じており、金融事業の利益構成比を現在の45%超から30%に引き下げる方針を表明している。
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