IBM、モノのインターネット構築を簡便化 〜 「自作キット」で市場拡大
- 2013年10月22日
- ハイテク情報
IBMとリベリウム(Libelium)は、検出器や検知器を使って天候やサーバー温度といった各種のデータを収集し、それをほかの端末と無線通信によって共有するコンピュータ「ワスプモート・モート・ランナー(Waspmote Mote Runner)」を開発した。
ワスプモート・モート・ランナーは、検知器通信網の試験と導入を可能にする「自作キット」であり、いわゆる「モノのコンピュータ(Internet of Things)」の導入にともなう複雑さを解消するのが狙い。
IBMがソフトウェア・ツール「モート・ランナー(Mote Runner)」を提供し、リベリウムがマザーボードの製造を担当する。
コンピュータワールドによると、マザーボードには、ガスや酸素、二酸化炭素、動き、光などを検出する検知器が実装される。
イーサーネットやシリアル・インターフェイスといった標準インターフェイスも実装されており、スマート・メーターや太陽光発電設備といった既存機器へのプラグインが可能。
ワスプモート・モート・ランナーの価格は、検知器の種類によってドル換算で2121〜3489ドル。地質学者や気象学者など、複雑なメッシュ型通信網の導入に関心がある科学者向けに販促される。
ソフトウェア・ツールのモート・ランナーは、ワスプモート・モート・ランナー向けにジャバ(Java)とCシャープ(C-Sharp)でプログラムを書くためのツール。MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)をはじめとするさまざまなデータ転送プロトコールをサポートする。
ワスプモート・モート・ランナーは、次世代IPv6にも対応している。
IBMは、データ転送プロトコールと端末相互接続に関する基準を策定する目的で、モノのインターネット・アーキテクチャー(Internet of Things-Architecture)連合と協力関係にある。
同連合は、欧州連合(EU)をはじめ、シーメンス(Siemens)やNEC、日立を含む加盟各社から資金援助を受けて研究開発を進めている。
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