新興国向けに格安小型車〜フォード、1万ドル以下で

 フォードは、初めて車を購入する開発途上国の消費者を想定した格安の小型車「カー(Ka)」の新型を発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、フォードは現在、南米や欧州で「カー」、インドで「フィーゴ(Figo)」など世界各地で異なる低価格車を販売しているが、新型カーは世界戦略車では初めて1万ドルを切るモデル。まず2014年に南米で発売し、その後はインド、中国、中東、北アフリカなどに拡大するとみられる。

 新モデルの開発では、先に新興市場に参入した他社の経験を参考にした。インドのタタ・モータースが販売する「ナノ」は、4億ドルを投じて開発され、世界最低水準の2000ドルで販売されているが、売れ行きは良くない。フォードはナノから、ブランドや商品の位置づけをよく考えて売らなければならないことを学んだといい、マーク・フィールド最高営業責任者は「タタはナノを2輪車脱却のための車として発売したが、車の購入は人生の一大事であり、人々はもっと強い達成感を望むはず」と分析している。

 このため、新型カーでは、安っぽく見えないよう高級感を維持し、他の超格安モデルとの違いを出そうとしている。具体的には、細部にクロム合金を使い、車体を広く低くして安定感を強調し、携帯電話の操作などができる独自のテレマティックス技術「シンク」も標準装備した。

 フォードは、業界の総合販売台数は17年までに約12%増加するが、こうした格安モデルは35%増の620万台に達すると予想しており、新市場の拡大で同社の世界的な年間販売を13年の600万台強から800万台に増やすことを目指している。現在フォードで最も安いモデルは「フィーゴ」で、1万〜1万2000ドルとなっている。

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