ディーゼルや燃料電池にも注目〜政府、EV販売伸び悩みで
- 2013年12月2日
- 自動車関連
充電可能な(プラグイン)電気自動車(EV)の販売ペースがオバマ大統領の目標の半分にとどまる中、連邦および州政府は、水素やディーゼルなど他の燃料を使う低公害車も優遇することを検討している。
ブルームバーグ・ニュースによると、自動車メーカー向けにゼロ排ガス車(ZEV)販売の量的基準を定めているカリフォルニア州は、テスラ「モデルS」のようなプラグインEVを水素自動車より優遇してきたこれまでの制度を変更する姿勢を見せている。同州議会も今年9月、クリーン車普及計画の一部として水素燃料補給所100カ所以上の建設資金を提供する法案を可決した。
売買可能なZEVクレジットの取り扱いが変われば、ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」などが恩恵を受ける可能性がある。同車は2013年1〜10月の米販売がわずか6台にとどまっている。ゼネラル・モーターズ(GM)もプラグインEVと並行して水素電池技術に投資しており、両社はこの7月、燃料電池や水素貯蔵システムの開発で提携した。一方、トヨタと現代自はそれぞれ15年までに燃料電池車の発売を計画している。
オバマ大統領は09年、「15年までに国内のEVを100万台に増やす」という目標を掲げたが、プラグインEVは現在までに約9万5000台しか売れておらず、15年でもせいぜい累計50万台超と見込まれている(業界調査バウム・アソシエイツ)。大統領は1期目の一般教書演説で、EV技術の開発促進で50億ドルの支援を約束したが、フィスカー・オートモーティブなど関連企業の経営破綻などを受け、11年以降は連邦ローンを提供していない。
これに対し、現政権の発足当時は見過ごされていた水素自動車や燃料電池車が今になってもてはやされ始め、政府は先週、自動車に使える水素貯蔵システムの開発に400万ドルを投じると発表した。バウムのアナリスト、アラン・バウム氏は「政府は視野を広げており、内燃エンジンも含めた総力戦で環境対応車を増やす構えだ」と指摘する。
米国で車を販売する自動車メーカーは、25年までに企業平均燃費(CAFE)を現在の約2倍に引き上げなければならず、ガソリン・エンジンの改善だけでは目標達成は無理とみられている。コンサルティング企業ブーズとブルームバーグ通信の共同調査によると、自動車業界幹部は、政府支援が継続されればEVを含む代替燃料車は20年までに販売の20%を占めるが、支援が止まれば12%にとどまると予想している。
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