スマート家電通じサイバー攻撃〜冷蔵庫の電算機能を悪用
- 2014年1月27日
- 米国ビジネス
コンピュータ機能を備え、インターネットとつながるテレビや冷蔵庫など「スマート家電」を悪用した大規模なサイバー攻撃を、インターネット・セキュリティ会社プルーフポイントが確認した。「モノのインターネット」(IoT)を乗っ取った初の事例だという。
CNNによると、攻撃は2013年12月23日から14年1月6日にかけて行われ、住宅の通信用ルーターやテレビといった家電10万台以上から世界中の企業や個人に向けて75万通以上の迷惑メールが発信された。悪用された家電には、少なくとも1台のスマート冷蔵庫が含まれていた。
被害者の特定や、犯人が個人情報の収集に成功したかどうかなど詳しいことは分かっていない。パソコンがウイルスによって知らない間にハッカーに乗っ取られ、ロボットとしてサイバー攻撃に使われる「ボットネット」はすでに大きな問題となっているが、IoTを悪用する「シングボット(thingbot=モノのロボット)」の登場で、セキュリティの状況はさらに悪化する恐れがある。
プルーフポイントの情報セキュリティ部門担当者デイビッド・ナイト氏は「これらの機器は多くが十分に保護されておらず、不正ソフトに感染しても消費者にはそれを察知し対処する方法がほとんどない。こうした機器の販売量が増え、ハッカーがさらに多くの悪用法を見つければ攻撃はますます増える可能性がある」と話した。
近年は眼鏡や歯ブラシに至るまでネット接続機能のある製品が激増しており、ハイテク調査IDCは、20年までに世界で300億台以上のスマート機器が出回ると予想している。
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