ARM基盤サーバーの開発に勢い 〜 AMDとデル、データ・センターに導入へ

 半導体大手のAMDとパソコンおよびサーバー大手のデル(Dell)は、英ARMホールディングス(ARM Holdings)の設計をもとにした半導体を搭載するサーバーのデータ・センター向け市場に商機を見い出し、開発を強化している。

 ARM設計の半導体は省電力という強みを生かし、アイフォーン(iPhone)やアイパッド(iPad)を含むモバイル端末で広く使われている。サーバー向けには、処理力不足という理由でARM設計チップはあまり採用されていない。

 しかし、データ・センターの省エネ化(サーバーの省電力化)が急がれるなか、従来のx86半導体に代わる技術として、ARM設計半導体のサーバー搭載に関心が集まるようになり、その動きが大きな業界潮流として台頭してきた。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、AMDはこのほど、64ビットARMサーバー「AMDオプテロンA1100シリーズ(AMD Opteron A1100 Series)」(開発コード名はシアトル)を披露した。28ナノメートル(nm)加工技術で製造される同シリーズは3月に発売される予定。

 AMDはオープン・コンピュート・プロジェクト(Open Compute Project)に同社のARM基盤マイクロサーバー設計を提供している。オプテロンA1100シリーズは、同プロジェクトのマザーボード向け標準「グループ・ハグ(Group Hug)」に準拠したものとなる。

 「AMDはARM設計チップのCPUとサーバー(市場)の主導者になることを目指す」「2019年までにはサーバー市場の(サーバーの)4分の1がARM設計チップで作動することになるだろう」とAMDの幹部は話している。

 一方、デルは、アプライド・マイクロ(Applied Micro)の64ビットARM技術「エックス・ジーン(X-Gene)」に基づく64ビットARM設計チップ搭載サーバーの概念実証モデルを披露した。

 デルのデータ・センター・ソリューションズ部門が開発した同モデルは、同社のソリューションズ・センター(テキサス州)に導入される。

 ただ、ARM設計チップ搭載サーバーの市場開発には予想以上に時間がかかっている。主要メーカーの一つだったキャルクシーダ(Calxeda)は2013年12月に事業停止に追い込まれた。

 その背景には、ARM生態系構築の遅れがある。オープン・コンピュート・プロジェクトのフランク・フランコフスキー会長は、その遅れを認めたうえで、「向こう6ヵ月間でx86に匹敵するような高性能部品の品揃えが増えるだろう」「2014年末には生産可能なハードウェアが登場し、2015年には導入が始まるだろう」と現状打破に向けた展望を述べた。

 ARMは、1月末に開催されたオープン・コンピュート・サミットで、ARMアーキテクチャー向けソリューション開発に取り組む17社への共通フレームワークとして、64ビット・サーバー向けプラットフォーム標準「サーバー・ベース・システム・アーキテクチャー(Server Base System Architecture)」を発表した。

 アプリケーション開発会社はそれによって、各社の製品ごとにアプリケーションを移植する必要がなくなる。

 17社には、アプライド・マイクロやデルのほかに、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、レッド・ハット(Red Hat)も含まれる。

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