日立、従業員の行動監視システムを投入 〜 プライバシー侵害懸念は必至

 日立は、企業の管理職が従業員を監視できるようにする機器を開発した。ヒタチ・ビジネス・マイクロフォン(Hitachi Business Microphone)と名付けられた同製品は、従業員の労働生産効率を測るための機器だが、プライバシー侵害という懸念も指摘される。

 インターナショナル・ビジネス・タイムズ紙によると、同機器は、一見すると身分証明札のようだが、身に着ける従業員の動作や声、移動場所、誰が誰と何を話しているのか、いつどこでどのような場合に快活になるかといった就労状態および状況を記録する。

 そのため、コーヒー自動販売機にどれほど頻繁に行くかや、たばこを吸うために屋外に何回出るのか、会議を欠席した際にどこにいたかといったことが分かるようになる。極論すれば、トイレにいつ行ったかも分かる。

 日立はビジネス・マイクロフォンについて、「検知技術を使うことで社内における従業員のコミュニケーションや活動を追跡および測定し、生産効率を向上させることが目的」と説明している。

 同機器には、個々の従業員を特定する複数の検知器が内蔵されており、検知名札として機能する。その検知名札が別の従業員の検知名札と一定距離以内に接近すると、それぞれがお互いを認識して顔や時間、動作を記録して管理システムのサーバーにそのデータを無線送信する。

 ただ、プライバシー侵害の恐れを指摘する声が強まることは必至で、導入する際には細かな活用法に関する両側の合意と細心の注意および適切な指針が必要となる。

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