AMD、低価格タブレット向けチップ事業を回避 〜 高性能半導体製品に注力

 アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD=Advanced Micro Devices)は、競合するインテル(Intel)やARMと一線を画し、高価値かつ高利益率のタブレット向け半導体開発に注力する方針を掲げた。

 コンピュータワールドによると、タブレット市場は現在、下位機種とアンドロイド(Android)OSによってけん引されており、インテルとARMの半導体が、100ドルを切るタブレット製品の価格低下に貢献している。

 それに対しAMDのタブレット戦略では、ウインドウズ(Windows)と高位機種に注力する。

 AMDはその一環として、性能向上と電池持続時間改善に焦点を合わせる新半導体製品「ビーマ(Beema)」と「マリンズ(Mullins)」(いずれも開発コード名)を導入する計画だ。

 AMDによると、インテルは自社の「x86」半導体を使用するタブレット・メーカーに奨励金を払い、その普及を推進してきた。対照的にAMDは製品構成に留意し、高利益率かつ高価値製品を強化する考えだ。

 インサイト64の業界専門家であるネイサン・ブルックウッド氏は、AMDが注力する分野を価格300ドルのタブレット製品と分析する。AMDはインテルのように、タブレット・メーカーに奨励金を払えるだけの資金力がない。

 また、タブレット市場も重要だが、AMDはカスタム半導体やそのほかの領域からの売り上げ創出に関心を持っている、とブルックウッド氏は話す。

 AMDのカスタム半導体は、マイクロソフト(Microsoft)のエックスボックス・ワン(Xbox One)やソニーのプレイステーション4(PlayStation 4)に採用されており、2014年第1四半期決算では28%の増収に貢献した。かたやパソコンやサーバー、そしてタブレット用半導体事業の売り上げは減少した。

 インテルは2014年中に4000万個のタブレット向け半導体出荷を目指しており、第1四半期に500万個を出荷した。タブレット向けプロセッサー市場は現在、ARMが優勢であり、インテルはタブレット・メーカーへの奨励策によってx86チップでの巻き返しを図っている。

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