サイバー攻撃の前に犯人を捜す 〜 IBM、新セキュリティー・システムを開発

 IBMはサイバー攻撃の増加に対抗し、企業がデータを盗まれる前に犯人を発見する新たなセキュリティー・システムを開発した。

 IBMの新セキュリティー商品は、データ発掘と行動分析を駆使してハッカーの攻撃を防止する。

 ウイルス対策ソフトウェアは通常、ウイルスや悪意あるソフトウェアに属するシグ二チャー・コードを探すが、あらゆる新種のウイルスを先回りすることは極めて困難だ。

 4半世紀前にウイルス対策ソフトウェアを発売したシマンテック(Symantec)も、そうした戦略では新手のサイバー攻撃を防ぐことはできないと認めている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、IBMの新セキュリティー・システムは、コンピュータ・ネットワークやソフトウェア、ウェブサイトから公に得られる大量のデータを取り込み、通常の行動パターンを確立したうえで、データに不規則な行動や使われ方がないかどうかを探す仕組み。

 IBMのマーク・ヴァン・ザデルホフ副社長によると、企業の基幹設備外にあるサーバーや異常なコミュニケーションを行うPDFリーダーがそういった例に入る。

 データ分析はさらに、毎週のように起きる数百万件のセキュリティー関連できごとのなかから、企業が現実的な脅威を探し出す助けにもなる。

 米小売チェーン大手のターゲットは、ハッカーに攻撃されて数千万人分の顧客データを盗まれた際、セキュリティー班が警告を受け取っていたにもかかわらず対抗措置を講じなかった。

 IBMの同システムであれば、犯人である可能性がある人物のインターネット住所に機密情報が送られたことを警告し、企業側に措置を講じるよう促せるようになる。

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