450万人の患者情報流出〜テネシーの病院大手、中国から攻撃か
- 2014年8月20日
- 米国ビジネス
29州で206軒の病院を経営するテネシー拠点の医療サービス大手コミュニティ・ヘルス・システムズ(CHS)で今年4月から6月にかけて、450万人に上る患者の個人情報が流出した。証券取引委員会(SEC)に18日提出された報告書で分かった。
ニューヨーク・タイムズによると、流出した情報には、過去5年間に系列病院で治療を受けたまたは系列病院へと紹介された患者の氏名、社会保障番号、住所、電話番号、誕生日が含まれている。
ハッカーはCHSのセキュリティ・システムを迂回して情報を盗み出しており、同社はコンピュータ・セキュリティ企業ファイアアイ傘下のマンディアントに調査を依頼した。マンディアントは、中国を拠点に医療機器や機材の開発データといった価値の高い知的資産などを盗んでいる高度なハッキング集団の一派の犯行ではないかと見ている。
ただ、今回はクレジットカード番号や治療記録などの医療情報は無事だった。CHSが情報流出を確認したのは7月で、その後システム内の不正ソフトを根絶し、将来の攻撃を防ぐためセキュリティを強化した。情報を奪われた患者にはID盗難の防止策を伝え、サイバー保険で損失の軽減を図っているという。
セキュリティ専門家は以前から、電算化に伴い医療記録がハッカーに狙われると予想していた。医療機関の患者500人以上の情報が流出した例を掲示している厚生省のウェブサイトによると、今年だけでCHSを含めた医療機関から600万人の個人情報が流出している。
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