水事情改善に何をすべきか〜LAで環境団体が討論
- 2014年8月21日
- 米国ビジネス
ロサンゼルスでこのほど、環境団体が集まって地域の水確保に関する会議を開き、水の自給率を高め、よそからの引水コストを減らすために何ができるか、あるいはどうすべきかを話し合った。
ロサンゼルス・タイムズによると、LA市の水自給率はわずか11%で、近くのサンタモニカの70%に比べるとはるかに低い。遠くから水を引くには多大なエネルギーを消費し、温室効果ガスの排出量も増える。
南カリフォルニア水連合(SCWA)のコナー・エバーツ代表によると、州は、テハチャピ山地から南カリフォルニアへの水の汲み上げに最大の電力を消費している。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)環境・持続可能性研究所(IES)のマーク・ゴールド所長は「供給量の89%が200マイル以上離れた場所から来る水に依存する状態はいつまでも続けられない」と指摘しながら、LAは水の再利用や雨水の活用が他の地域より遅れているため、これらを強化すれば水の「輸入」削減につながると述べた。また、老朽化した水道管を更新することで漏れや無駄を防げると訴えた。
一方で、地下水汚染が拡大する中、サンフェルナンド盆地の地下水保全の資金を確保する必要がある。リバー・プロジェクトのメラニー・ウィンター代表は「われわれの水の未来はこのバレー(盆地一帯)にかかっている」と強調した。住民ができる節水対策として、シャワーや洗濯で使った水を庭の水まきに使う、排水溝でなく地下に水を流す、大量の水が必要な芝生を乾燥に強い在来植物に植え替える、浸透性のある舗装に変える…といった方法も挙げた。
パノラマ・シティで行われた試験事業では、22世帯がこうした節水策を導入して年間120万ガロンの水を節約または再利用し、全体で年間約7300ドルの水道代を削減したという。さらにウィンター氏は、水道代を上げる時は、水を浪費している人ほど高くなる方式にするよう呼びかけた。
ロサンゼルス市民1人当たりの1日の水消費量は約130ガロン。米国の他の大都市よりは少ないが、オーストラリアや欧州に比べるとはるかに多い(IESのゴールド氏)。
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