加州変電所でまたも不法侵入〜シリコンバレー向け施設、建機が盗難に
- 2014年9月2日
- アメリカ発ニュース
カリフォルニア州の電力大手PG&Eが所有するシリコンバレー向け変電所が、再び不法侵入の被害に遭った。同施設では昨年、何者かによる銃を使った器物損壊事件があり、同社は保安対策の強化に乗り出していた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、サンノゼの南に位置するメトカーフ変電所で8月27日未明、何者かがフェンスを破って侵入し、保安強化で使われている建設機械を盗み去った。午前2時過ぎに所内の保安センターで警報が鳴ったが、被害が確認されたのは4〜5時間後に早朝シフトの職員が出勤してからで、変電所は同7時半ごろに警察に通報、その8時間後に情報が公開された。
メトカーフ変電所は、米IT業界の中心地シリコンバレーに電力を供給する送電網の重要拠点。2013年4月にも大型変圧器17基が銃撃される事件があり、この時は送電オペレーターが調整したため停電はなかったものの、運転が約1カ月停止した。
当時の連邦エネルギー規制委員会(FERC)のジョン・ウェリングホフ委員長は事件をテロ行為と呼んだが、犯人は見つかっていない。同氏は今回の事件に関し、対応の遅れ、特に被害の経験があって施設内に警備員がいたにもかかわらず警報に反応しなかった点を問題視している。
PG&Eは今年に入って1億ドルの保安強化事業に着手したほか、メトカーフでは24時間警備を再開していた。事件を受けて、今後どのような警備の改善が必要かを検討中だという。連邦捜査局(FBI)は「前回事件との関連性はない」と見ており、今回の事件捜査には関わっていない。
連邦の調査では、9カ所の主要変電所が止まるだけで全米に深刻な停電が発生すると報告されている。
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