ベンチャー資金、ロボティクス新興企業に流入 〜 グーグルとアマゾンの影響
- 2014年12月1日
- ハイテク情報
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、米ベンチャー・キャピタル(VC)業界は2013年に、2011年比で3倍近い総額1億7200万ドルをロボティクス新興企業に投資した。
ロボティクス業界に精通するブロガーのトラヴィス・デイル氏の見積もりはそれより多く、2013年には少なくとも2億5000万ドルがロボティクス新興企業に投じられた可能性もある。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロボティクス業界への投資熱が急上昇した背景には、技術業界の巨大企業がいくつものロボティクス新興企業を相次いで買収している事実がある。
アマゾン(Amazon)は、倉庫ロボット開発企業のキヴァ・システムズ(Kiva Systems)を2012年に7億7500万ドルの現金で買収し、グーグル(Google)は2013年暮れから2014年初めにかけて10社近い小規模ロボティクス新興企業を買いあさった。
ロボットはかつて、製造工場のなかで工員と事故を起こさないよう柵に囲まれ、決まった作業を永遠と繰り返す種類が主流だった。しかし、近年のロボティクス技術は、検知器や無線交信の機能を組み込んでロボットが自律移動できるようにし、また、周囲の工員にとって安全に稼動する機能を実現した。
ホテルやレストランといったサービス業界にロボットを提供するサーヴィオク(Savioke、サンタ・クララ拠点)のスティーブ・カズンズ創設者兼最高経営責任者は、ベンチャー・キャピタリストらのあいだでロボティクス業界に対する見方が明らかに変化している、と話す。
「3年前までは、ロボティクス新興企業にとってVC投資を獲得することは難しかった」「われわれが投資するのはソフトウェア企業で、ハードウェアではない、と多くのベンチャー・キャピタリストが話していた」とカズンズ氏は語る。
同氏は2014年に入ってから総額260万ドルのベンチャー・キャピタル投資を調達した。
カズンズ氏の会社は、ホテル宿泊客の荷物を客室まで自律して運ぶロボットをカリフォルニアの一つのホテルに納品している。最近では、複数のサービス業界企業がサーヴィオクのロボット製品に興味を示し、問い合わせが増えていると同氏は話す。
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