264MWの蓄電設備を設置へ 〜 カリフォルニアの電力会社、原発の代わりに
- 2014年12月29日
- 環境ビジネス
カリフォルニア州オレンジ郡の公益会社サザン・カリフォルニア・エディソン(Southern California Edison)が実施した異例の競争入札で、合計264メガワットに相当する複数の蓄電設備設置案が選ばれた。
同社は、サンオノフレ原子力発電所を廃炉にしており、また、環境に悪影響をおよぼす冷却システムを搭載した天然ガス火力発電施設の稼働も打ち切る計画。同社はそこで、大型原子炉2基に相当する2221メガワットの穴を埋め、ピーク時の電力需要に応える新たな発電源(発電所)を確保(建設)するために、従来型の電池からガス・タービン、蓄電池まで幅広い分野のエネルギー企業から事業案を受け付けた。
その結果、数百件の入札のなかから選ばれたのが、複数の蓄電システム案でそれらの容量は合計264メガワットに達する。
カリフォルニア州では、1325メガワットの蓄電施設を2020年までに設置することが民間公益会社に義務付けられている。
ニューヨーク・タイムズによると、落札額は明らかにされていないが、今回の結果は蓄電コストが下がっていることを示すものだと専門家らは指摘する。
特にカリフォルニア南部では砂漠地帯に大規模の風力発電所があり、夜間にきわめて安価に発電され、それが余剰気味になっているという現実がある。
蓄電の代替とされた天然ガス発電所は、土地の価格が高く排出制限の厳しいロサンゼルス周辺地域では高くつく。蓄電設備のほうが発電所よりも場所を取らない。
今回の入札では、従来型の蓄電技術に加え、屋根上の装置で水を冷凍する技術を手がけるアイス・エネルギー(Ice Energy)の健闘も目立った。気温が下がる夜間に稼動して氷を作り、日中は空気を送るだけで室内冷房として機能するというものだ。
アイス・エネルギーがこれまでに米国内で設置した装置は合計10メガワット相当だが、今回の入札では25.6メガワット相当を受注した。
カリフォルニア州は蓄電設備の導入で全米の最先端を歩んでいるが、ほかの地域でも関心は高まっている。テキサス州の公益会社オンコー・エレクトリック・デリバリー(Oncor Electric Delivery)の依頼を受けてコンサルティング会社のブラットル・グループ(Brattle Group)が行った最近の調査では、最大5000メガワットの蓄電設備が導入されれば、同州の電力顧客の電気代が下がると報告された。
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