成人玩具業界、映画に期待〜「Fifty Shades of Grey」

 映画との関連で売られる玩具と言えば通常は子供向けだが、今年のバレンタインデーに公開されるユニバーサル・ピクチャーズの新作映画「Fifty Shades of Grey」に限っては関連商品の多くが成人向け玩具となっている。

 ニューヨーク・タイムズによると、映画は主婦層などを中心に国内で大ベストセラーとなったE・L・ジェイムズの同名の官能小説が原作で、恋愛経験のない清楚な若い女性がSMプレイにのめり込んで性的奴隷となっていく様子を描いている。

 小売り各社は映画にも強い関心が集まると見て、目隠し、むち、手錠、マスクなど作品のテーマに合う大人の玩具を取りそろえ、パッケージングを一新している。安売り大手のターゲットも、正規の関連商品として男性が装着する振動リングなどを発売している。

 原作者のジェイムズ氏は元テレビ・プロデューサーの英国人女性だが、すでにこの小説の続編を2作発表しており、「BDSM(拘束、調教、SM)」という性的指向を広く紹介したとして一躍有名になった。

 氏はシリーズの版権をランダム・ハウス傘下ビンテージ・ブックスに売却し、普段は官能小説を読まない層にまで読者層が広がって、2014年には3部作の販売部数が1億に達した。映画の版権争いも激しく、最終的にユニバーサル・スタジオとフォーカス・フィーチャーズが500万ドルで権利を獲得した。

 大人の玩具業界では、11年に小説の電子版が発売されて以来、売り上げが爆発的に伸び、かつてはあまり知られていなかった商品まで在庫が薄い状況となっている。 小説に出てくる玩具「ベンワボール(ケイゲルボールとも)」の場合、本の発売後に販売が激増し、業界大手カリフォルニア・エキゾチック・ノベルティーズでは、かつて年間8万〜9万個だった販売量が、書籍発売後は6カ月で100万個を記録している。

 市場調査IBISワールドによると、13年は玩具、ビデオ、書籍などを含むアダルト商品の売上高が前年比で7.5%も上昇した。今回、映画関連商品の正規製造権を持つのは英国のオンライン小売業者ラブハニー(Lovehoney)のみで、映画に原作ほど過激な描写はないが、ラブハニー共同設立者のニール・スレートフォード氏は「映画で本の販売に再び火がつき、商品も一層売れる可能性がある」と見ている。

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