たばこ大手、禁煙商品開発でコンサルと提携
- 2015年2月26日
- 米国ビジネス
「キャメル」や「ポール・モール」などのブランドを持つ米2位のたばこ大手レイノルズ・アメリカン(ノースカロライナ州)は、医薬品コンサルティングのピニー・アソシエイツ(Pinney Associates、メリーランド州)と提携して禁煙支援商品の開発を進めている。
AP通信によると、近年はたばこ増税、健康意識の高まり、喫煙規制、社会的なイメージ悪化などを受けてたばこの需要が低下し、禁煙に取り組む人が増えている。レイノルズのスーザン・キャメロン最高経営責任者(CEO)はこれまでも、たばこの健康への悪影響を減らす新商品で業界を変えることに関心を示していた。レイノルズは、たばこの害を減らるための政策でもピニーと協力していく。
米国では、予防可能な疾患や死亡の原因の首位が喫煙で、肺がんによる死亡では大半に関係しているほか、心臓発作などの要因にもなっている。厚生省疾病対策センター(CDC)によると、現在喫煙習慣のある成人は4200万人以上に上り、その約半分は毎年禁煙を試みている。
2社の提携では、レイノルズのニコノバムUSA(Niconovum USA)部門が、ピニーの系列会社とともに新種のニコチンガムや電子タバコといったニコチン代用商品の開発に取り組む。ニコノバムは、ニコチンガム、ニコチンパウチ(かぎたばこ)、ニコチンスプレーなどの禁煙支援商品を作っており、09年にレイノルズに買収された。
現在、禁煙支援商品の市場は製薬業界が主導しているが、レイノルズは対抗勢力としてニコチンガム「ゾニック(Zonnic)」の拡張を進めている。
ピニー・アソシエイツは、ニコチンガム販売トップの英グラクソスミスクライン(GSK)に協力してきたほか、元社員のミッチ・ゼラー氏が連邦食品医薬品局(FDA)のたばこ規制責任者を務めるなど業界との関係が深い。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ