西海岸の貨物、速く動かす方法は?〜各港湾、停滞解消策を模索
- 2015年3月4日
- 米国ビジネス
長きにわたった労使紛争によって荷物が置かれたままになっている西海岸の港湾関係者は、作業再開にあたり、貨物取り扱いの一層の効率化の必要をあらためて感じている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、南カリフォルニアの港は米国のコンテナ貨物の40%を取り扱っている。巨大貨物船の増加と労使交渉の長期化で、現在ターミナルにはコンテナが山積みされており、交渉は2月20に暫定妥結したものの、通常の状態に戻るには6カ月かかると見られている。
このため一部のターミナルでは、コンテナの山から特定の1箱を取り出すまでドライバーが待たずに済むよう、トラックによる運び出しを予約制にしている。しかし、荷主はできるだけ早く商品を受け取りたいと考え、ドライバーは予約制だと港まで往復できる回数が減って収入が減るため、あまり人気がない。
そこで一部のターミナルでは、トラックが着くととにかく一番上のコンテナから運び出す「フリーフロー(free-flow)」または「ピールオフ(peel-off)」と呼ばれる方法を取り入れ始めている。この方法は、特定のコンテナを取り出すために他のコンテナを動かす必要がなく、最も速く貨物を港から運び出せる。これまでも同じ荷主のコンテナが同じ船で大量に運ばれてきた場合は、それらを一カ所にまとめて下ろし、小売店から来たトラックが上から順番に運び出していた。
ロサンゼルス港では、これをより小さな小売店にも適用できるカーゴマティック(Cargomatic)の携帯電話向けアプリケーションを使った「ウーバー式」のフリーフローを試している。今のところ配送先が港から150マイル以内であることが条件だが、プログラムに参加した小売店のコンテナは一カ所にまとめられ、ドライバーは予約なしで港に行き、積まれたコンテナを上から順番に運び出す。届け先はアプリでチェックし、支払いは自動的に行われ、ドライバーの平均待ち時間は35分と通常の約半分で済む。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ