30年にはエネルギー純輸出国に〜国内生産は今後5年間増加
- 2015年5月5日
- 米国ビジネス
米国は1950年代以降エネルギーの純輸入国だったが、遅くとも2030年までには石油・ガス・石炭などエネルギー源の輸出量が輸入量を上回る純輸出国になると予想されている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、原油価格は1年前に比べ50%近く低下しているが、連邦エネルギー情報局(EIA)の最新報告では、米国の石油および天然ガスの生産は向こう5年間増え続ける見込み。これで供給量が国内需要を上回り、輸出可能な天然ガスおよびディーゼルやコンデンセート(超軽質原油)といった精製燃料の量も増えると考えられる。
EIAのアダム・シーミンスキー局長は「先進技術が米国のエネルギー経済を変化させている。予想では2020〜30年の間に米国のエネルギーの純輸入量がゼロになる可能性がある」と見込んでいる。
また、再生可能エネルギー源の利用増、省エネ車の普及、国内の石油やガスの生産増も、米国のエネルギー事情を変化させる要因となっている。EIAは国内の石油生産見通しを昨年の予想から上方修正しており、昨年の基本予想では19年までに日産960万バレル(bpd)でピークに達すると見ていたが、今年は20年に1060万bpdまで増加すると予想している。
EIAは、エネルギー価格や経済成長ペースを基に6つの異なる想定を行った。このうち原油が値上がりする想定では、19年にも米国はエネルギーの純輸出国になる可能性があり、原油価格が迅速に回復しなかったとしても30年までには純輸出国になると見ている。
天然ガスが安く豊富になると、化学製品、金属、パルプや紙製品などのメーカーを中心に、エネルギーの使用量が多い国内の重工業や製造業が大きな恩恵にあずかると考えられる。また、天然ガスが安くなると電力料金が抑制されるため、大量に電力を使う業界にも有利になる。
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