次世代車開発を先延ばし〜FCA、業界再編視野に

 欧州自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)が2014年以降、北米で少なくとも十数種類の新型車や改良版の投入計画を先送りしたことが、FCAと取り引きするサプライヤー関係者の証言で分かった。

 ロイター通信によると、FCAは異例の大規模な計画先送りで数十億ドル相当の投資を凍結しながら、事業提携の相手探しに乗り出したことになる。FCAは先週、トヨタ自動車やフォードなどに業界再編に向けた協議を打診したと報じられたばかり。

 関係者によると、FCAが先送りした開発プログラムの中には、ピックアップ「ラム1500」やスポーツ多目的車(SUV)「ジープ・ラングラー」など利益率が高い車種が含まれる。ピックアップとSUVは、税引き前利益の半分以上を占めるドル箱商品だ。

 FCAは一方で、アルファ・ロメオなど一部のブランドで開発計画を前倒ししているという。

 FCAのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は14年、投資家に対し総額500億ドルの5カ年計画を公表。年間の世界販売台数を14年の475万台から18年には700万台に押し上げる目標も掲げた。

 関係者によると、その後、ジープとラム、ダッジ、クライスラー、マセラッティで12を超える計画が最長で1年以上先送りされた。主力モデルのラム1500は当初の17年半ばから17年11月に発売が延期されたという。

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