ハイテクと通信のM&A、00年以来最高ペース

 2015年は、ハイテクと通信業界の企業合併・買収(M&A)活動が金額ベースで00年以来の高水準で推移していることが、市場調査ディーロジック(Dealogic)のまとめで分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、5月下旬にはデータセンター事業者のエクイニクス(Equinix、カリフォルニア州)が同業の英テレシティ(Telecity)を約36億ドルで買収することが明らかになり、続いて半導体のアバゴ・テクノロジーズ(Avago Technologies、シンガポール)が競合のブロードコム(Broadcom、カリフォルニア州)370億ドルで買収することで合意に達した。同契約の買収額はハイテク業界で史上最高。

 M&Aが加速化する背景には、データ通信システムを流れる情報量が年々増えていることがある。現在は携帯電話やテレビなど個人用の通信に加え、インターネットとつながる各種装置が工程を制御する工場(コネクテッド工場)やビデオ会議など、産業用のデータ通信量が爆発的に増えている。

 エクイニクスのエリック・シュワルツ欧州・中東・アフリカ担当社長は「クラウド・コンピューティングであれ、モバイル・データやビッグデータ、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)であれ、デジタル経済のすべてがあらゆる場所で成長をけん引している」と話した。

 シスコ・システムズによると、ネットの月間データ・トラフィック(移動量)は14〜19年に約3倍の168ペタバイト(1PB=1000テラバイト)に達する見通し。トラフィックの半分以上はテレビやタブレットなど旧来のデスクトップ・パソコン以外の機器から生じると見込まれる。

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