クレジット・カード専業大手が犠牲に 〜 デジタル決済技術の普及で業績悪化

 クレジット・カード大手のアメリカン・エキスプレス(American Express)とディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(Discover Financial Services)は、事業の拡大に苦戦を強いられ、株価が低迷している。

 両社の2015年第2四半期決算では、ディスカバーが売上高こそ前年同期横ばいだったものの純利益は7%減と低迷。アメリカン・エキスプレスは売上高が前年同期比4%減、純利益は同3.7%減だった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、両社は今後の業績回復を楽観視しており、たとえばアメリカン・エキスプレスは、1株あたり利益が2016年に増加に転じ、2017年には12〜15%の成長を達成できると予測する。

 しかし、両社の思惑通りに業績が回復するかは疑わしい。その要因の一つが技術革新による影響だ。

 多くのベンチャー・キャピタル会社が支援する「フィンテック(fintech)」(金融向けIT)は、向こう2年間で消費者の決済手段を大きく変える可能性がある。

 従来のクレジット・カードに代わる決済手段を提供するペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings)は堅調に成長を続け、現在、その時価総額は451億ドルの巨額に達する。

 ペイパルの成長は、デジタル決済が今後一層進むという見通しを反映したものだ。デジタル決算の普及によって打撃をもっとも受けるのはクレジット・カード会社だ。

 アップル・ペイ(Apple Pay)やグーグル・ウォレット(Google Wallet)といった電子決済サービスも、現時点ではそれほど振るわないが、今後は伸びる可能性がある。

 また、大手銀行も消費者向けクレジット・カード事業を積極的に拡大しているため、専業のクレジット・カード会社にとって競争は激しくなるばかりだ。

 技術系の新規参入企業から市場を守るために、アメリカン・エキスプレスとディスカバーは販促と技術開発を一層強化する必要があり、それによる経費拡大が業績回復の妨げとなる可能性もある。

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