グーグル、スイスのサイレント・サークルと提携 〜 生産性向上ツールを提供

 1台の携帯端末を仕事と私用の両方に使う人が増え、情報のセキュリティー懸念が高まるなか、グーグル(Google)は、セキュリティーを強化した携帯電話を製造するスイスのサイレント・サークル(Silent Circle)と提携し、サイレント・サークルのスマートフォン「ブラックフォン」 に生産性向上ツール「アンドロイド・フォー・ワーク」を搭載する。

 セキュリティー懸念を重視する法人市場の開拓を狙った動きだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン氏が米国政府による情報収集活動を暴露して以来、プライバシー保護を強化するツールは増えており、ブラックフォンもその代表的な一つと位置付けられる。

 その背景には、通話やテキスト・メッセージ、データを暗号化してセキュリティーを高め、米政府による情報傍受から交信内容を守ろうという企業幹部らの考えの強まりがある。

 アンドロイド・フォー・ワークは、グーグルが2015年に発表したモバイル・アプリケーション。1台のスマートフォンを私用と仕事用に区分でき、会社は社員による企業情報の取り扱いや、ジーメール、連絡先、カレンダー、書類、表計算、スライドといったアプリケーションを管理できる。

 企業のIT担当者は、「アンドロイドで作動する端末は、アイフォーンやブラックベリーのように単一メーカーが管理している端末に比べるとセキュリティーが甘い」と考えている。

 それがアンドロイド端末導入を思いとどまらせているため、グーグルでは、今回の提携によって、そういったセキュリティー懸念を取り除きたいと考えている。

 アンドロイド・フォー・ワークは、世界銀行や米陸軍、生保大手ガーディアンを含む1万以上の企業や機関に導入または試験運用されている。

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