住宅用エネルギー管理システム、三つの成長要因 〜 テックナヴィオが予想

 世界の住宅用エネルギー管理システム(HEMS=home energy management systems)市場は、2019年までに20億ドルを超えると予想される。年率平均26.8%での成長が続く計算になる。調査会社のテックナヴィオが報告した。

 クリーンテクニカ誌が報じたテックナヴィオの調査報告によると、HEMSは、照明制御をはじめ、自動監視システムおよびサービス、プログラム可能型の接続型室温調節器、インテリジェントHVAC(heating, ventilation, and air conditioning)コントローラー、そして、先進型中央コントローラーという5つの製品分野によって構成される。

 それらの製品は、利用者が電化製品や機器類、各種の設備の電力消費量をリアルタイムで簡単に追跡でき、過去のデータと比較することで、節電意識を高め浪費を簡単に避けられる消費行動をうながし、電力消費量を減らす効果をもたらす。

 テックナヴィオでは、同市場の好調な成長の原動力として、次の三つが挙げられると指摘する。

1)節電意識の高まり
2)スマート・グリッドへの投資増加
3)電力会社とサービス・プロバイダーによる同梱サービスの台頭傾向

 市場動向に影響を与える要因としては次の二つが挙げられる。

1)主要企業による投資増加
2)エネルギー消費最適化の必要性

 エネルギー・コストは世界的に上昇しており、世界的な人口増や環境への悪影響から、エネルギー効率化と省エネルギーの意識は強まる一方で、それを受けてHEMSの需要の好調はしばらく続くとテックナヴィオは予想する。

 テックナヴィオによると、HEMS市場は現在、シスコ(Cisco)とGE、ハネウェル(Honeywell)、パナソニック、そしてシュナイダー・エレクトリック(Schneider Electric)の5社によって牛耳られている。

 しかし、ほかの準大手や新興企業の台頭もあるため、それらの5社は競争に備えて投資を強化するとみられる。

 一方、HEMS市場成長の妨げになる要因としては次の三つが想定される。

1)初期投資の大きさ
2)サービスの多様性が限定的
3)HEMS製品に関する全体的な意識の欠如

 しかし、新規参入組の増加によって、革新的なHEMSはより高い価値を末端利用者にもたらす製品に進化することで、さらなる市場成長が続くと予想される。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る