米アドヴァンシング・オートメーション協会(Association for Advancing Automation=A3)は先日、産業ロボットが工員の仕事を奪うという従来の通説が誤解だという調査結果を明らかにした。
A3は、自動化機械メーカーや自動化システム・インテグレーターらが加盟する業界団体。
インベスターズ・ビジネス・デイリー紙が報じたA3の調べによると、米労働省の労働統計局から取得したデータを分析したところ、不況時を除く過去20年間(1996〜2000年、2002〜2007年、2010〜2014年)に、全体の雇用数とロボット出荷数の両方ともに増加した。
A3のジェフ・バーンスタイン代表は、米製造業会社の製造業務自動化によって雇用機会が米国内に留まっている、と指摘する。
同氏はさらに、産業ロボットが増えたことで、製造業企業の効率化とコスト抑制、品質向上が進み、労働者が別の業務に時間を割けるようになっている、と話している。
産業ロボットは、反復作業や危険な作業に使うことが効果的だ。それらの作業の工員離職率が高いことがその理由だ。
ロボットが、ある程度の雇用機会を奪っていることをバーンスタイン氏も否定はしない。しかし、多くの場合、ロボットに取って代わられる従業員は、もっと生産性のある別の職務に異動するため雇用機会は増える、と同氏は強調。
自動化業界は、工場ロボットにとって最大の顧客だ。2015年の上半期に北米で販売された工場ロボットの62%は自動車業界に納品された。なかでもテスラ(Tesla)が工場ロボットの得意客だという。
産業ロボットの世界的メーカーには、スイスのABB、日本のファナック、ドイツのクカ(Kuka)、日本のヤスカワが挙げられる。最近では、京都拠点のオムロンが米ロボティクス企業のアデプト・テクノロジー(Adept Technology)を2億ドルで買収しており、今後はオムロンの世界進出も予想される。
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